ハンコの面に文字を転写するって何?
ハンコは押した時に正しい向きになるよう彫ります。
そのため実際彫る印面は、文字が逆さじゃないといけないですよね?
かと言って裏表に直接文字を書くのは、私たちでも至難の業。
そのため最初に別の紙に正しい向きで書いて、それを裏返して印面に直接写すんです。
それを「転写」と呼びます。
2104年11月7日に書いたブログですが、ややリライトして2018年6月1日に再度公開しました。
具体的に転写する方法
転写をする方法は大きく分けて3つの方法があります。
▼目次
先に言っておきますと、1から3に行くに連れて簡単になります。
1.雁皮紙(がんぴし)を使って転写する
ちょっと前のブログで、竹の落款の作業工程をご紹介致しました。
竹のハンコはこうやって彫りますはこちらから
そのブログをご覧になった方からも、やはりこんなお話を頂きました。
「あの転写ってのが難しそうですね?どうやってるんですか?」
通常私たちは「雁皮紙」と呼ばれる、転写率のかなり高い紙を使ってるんですが、実際この雁皮紙を使った転写って結構難しいんですよ。
ワタクシもよく失敗してますしね、、、涙
簡単にご紹介しますと、ハンコの面の5倍ほどの雁皮紙のおもて面に筆で文字を書き、ずれないようにハンコに直接逆さまに被せて、水やテープで印面以外の周りだけを固定する。
この時に一番注意する点は、貼り付けた面がピターッと均一になること。
ズレるとずれた分、ズレます、、、汗
均一に貼れたら印面に少量の水を垂らし、丸い木材の頭など硬くて丸いモノで叩きます。
ちなみに私は角印の頭側を使います。
で、剥がしたのが上の写真です。
これが一番鮮明に写るんですが、非常に難しくてかなりの練習が必要になります。
かなり難しいですが、チャレンジされる方はこちらから雁皮紙をどうぞ。
2.トレーシングペーパーを使った転写
消しゴムはんこ等を彫る場合に一番使われるのがこちらのトレーシングペーパーを使った方法です。
手元に使い古しのしかないや♡
トレーシングペーパー(英語:Tracing paper)は、透かして複写(トレースまたはトレスと言う)するための薄い半透明の紙。透写紙(とうしゃし)とも。
Wikipediaより
「トレース=なぞる」なので、何か写したい絵をトレースするのに使います。
私も消しゴムハンコは、このトレーシングペーパーを使って転写してます。
描きたい下絵の上に重ねてなぞるだけなんで、簡単ですね。
では転写の仕方もご紹介。
まず書きます。
通常は下に絵を敷いて描きますが、逆さだって分かりやすいように、とりあえず下絵なしで。
普通に「あ」ですね。
これを裏返しにします。
そして上から爪でこすります。
万が一写りが薄かった場合は、転写したモノの上から直接書き足して下さいね。
これで完成。
こちらも何度か繰り返すとご自身でやりやすい方法が見つかりますから、気になる方は以下からトレーシングペーパーをどうぞ。
3.マジックを使った転写
そして最後に最も簡単な方法。
コピー機で印刷した紙を、直接逆さまに転写しちゃう方法。
先に理屈を言っちゃいますと、コピー機のトナーをマジックのインキの揮発する力を使って、上から塗り込んで転写させちゃう、まさに裏技。
では方法は以下にご紹介。
まずは印刷した紙をご用意ください。
ひっくり返して、転写したい場所に重ねます。
裏側から印刷のトナー部分がうっすらと見えます。
そしてここからが裏技の道具
黄色いマジック
こやつが要なんです!
ですが、方法は簡単。
上から塗るだけ。
しかもしつこくしつこつ塗ります。
そしてマジックで書いた上からティッシュで押さえ
今度はマジックの裏側等で擦ります。
そして上に重ねた元のコピー紙を剥がしますと・・・
完成。
綺麗に転写されてますね。
あとは、ハンコならこの通りに彫れば完成です。
とにかくとっても簡単ですので、一度お試しあれ!
※ネット等で「上手くできない」との書き込みが見受けられますが、その場合考えられるのは、転写するモノの表面の凹凸や汚れが原因かと思われますので、綺麗にするなり平らにして作業してみて下さい。
案外黄色いマジックって、単品で売ってるようで売ってないんです。
なのでこちらからどうぞ。
最後に
入門編としては3→2→1の順がやりやすいと思います。
では1が一番難しいのになぜ私たちが選ぶのか?
もちろんそれにも理由があります。
それは1が一番細部まで転写できるからです。
3のマジックですと転写の際のにじみ具合がインク任せなので、大きなモノならいいんですけど、ハンコみたいに細かいのだと、細部まで綺麗に写りません。
2のトレーシングペーパーは、ペンには良いんですけど、筆文字だと水を弾き書けません。
なので私たちは1の方法をとります。
いずれにしても、もし興味をお持ちになられましたら、どれもそれほど高価なモノではありませんのでお試しいただくのがいちばんの近道なのには間違いありません。
案外一度始めるとハマるもんですよ。
ぜひお試しあれ!
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