そういえば昔、親父にこんな事を言われたことをふと思い出しました。
親父「プロとして一番大切な事ってなんだと思う?」
私「良い仕事をするのは最低限だから、納期を守るってコトかな?」
親父「正解!じゃあもし何らかのトラブルで彫れなくなったら?」
私「彫れない状態では受け付けない」
親父「じゃあもし受けちゃったあと、何らかのトラブルで彫れなくなったら?」
私「何らかのトラブルが起きないように万全を期す。」
親父「例えば停電とかになったら?」
私「ろうそくの灯りで彫ればいいんじゃない?」
親父「そう!電気がなくても彫れるのがプロ」
どうやら正解だったようです。
きっと最後の私の答えを引き出したかったんだと思います。
電気がなくても彫れるのがプロ
やっぱ現代を生きて行く上では、空気と同じ位電気もなくては大変です。
最近の出来事で思い出されるのはやっぱ東北の地震の時でしょう。
実際鈴印も地震の影響で停電になり、回復したのは確か翌日でした。
本当完全に停電になると何もできませんでしたね。
でも実際翌日にはお渡ししないとといけない実印はありました。
で、実際どうしたかっていうと上のやり取りのように、ろうそくの炎の下で彫ったんですね。
それにはまずどんなシチュエーションで彫ってるのかをご説明しますと・・・
夜彫るコトが多いですから、当然部屋の電気やら蛍光灯の灯りの下で彫ります。
そしてやはり手彫りと言っても、作業の効率化のために一部機械に頼ります。
その辺は今回の趣旨とは逸れるんで、また後ほど。
あえて違う例えをするなら、電気なしでもご飯が炊けるのか?って感じですかね?
火がおこせて飯ごう等の炊飯器があれば可能でしょうかね?
でも実際に突然電気がなくなっても、ちゃんとご飯を炊ける方ってそんなに大勢いるんでしょうか?
知識はあっても道具がないとか、なんらかの障害でできない場合の方が多いんじゃないでしょうかね?
つまり親父が言いたかったのは、その状況に備えておけってコトだったのかもしれません。
実際私は上の親父とのやり取りで、電気がないシチュエーションの想定はできていました。
だから迷わずその彫れる状況を作り、彫るコトができました。
納期を守る。
簡単なようでいて実は奥が深いです。
実際恥ずかしながら私も、守れないコトがたまにあります。
そんな戒めもこめて、改めて書き記しておきたいと思います。
「納期を守ることこそプロとしての一番の使命」
そのためにあらゆるシチュエーションを想像し、備えておく。
電気がなくても彫れるのがプロ