ここでは印鑑登録や書類に記載のある「ゴム印やシヤチハタ不可」の理由について解説します。
理由と共に、ゴム印やシヤチハタの構造もご紹介しますので、スムーズにご理解いただけます。
2015年2月6日に公開したブログですが、2020年9月17日に再びリライトしました。
印鑑登録にゴム印やシヤチハタが使用できない理由は変形しやすさ
まず結論から申し上げますと「登録できない印鑑」このような記載があるためです。
印形が変形しやすい印鑑(ゴム印など)。
つまり構造の問題ですね。
印鑑登録にシヤチハタの記載はありませんが、構造的にはゴム印に近いため同じ括りになります。
印鑑登録する印は、契約の際に印鑑証明書と共に使用します。
登録している印影と、実際に捺した印鑑が著しく違っていると意味がなくなってしまいますよね?
また印鑑登録した実印などは、多くの方が変えずにそのまま長年使用します。
そのため変形しやすいゴム印やシヤチハタは、登録などの重要な場面では使用できません。
ゴム印やシヤチハタ印の素材
ではなぜ、変形しやすいのかについてご説明します。
ゴム印
ゴム印の成分はその名の通り、ゴムです。 車のタイヤも同じゴムですが、魔滅によって定期的に交換が必要です。
同様にゴム印は摩滅しやすい特性があります。
もちろん使う回数や環境によって違いはありますが、一般的に10年くらいが交換の目安になっています。
そのため何十年と使うであろう登録印としては使用できません。
またゴム印は、油性のスタンプ代などを使うと膨張して変形する恐れがあります。
そして最悪なのは印鑑を捺す際に使用する朱肉で、含まれる油で溶けが加速します。
印鑑登録の条件は「長く変形しないもの」ですし、朱肉で捺すため、ゴム印は適しません。
シヤチハタ印
シヤチハタ印は、スポンジのような構造になっています。
スポンジ状になってる印面から、朱色のインクが押し出される構造になってますから、耐久性はゴム印よりもさらに劣ります。
印面をピンセットなどでつまむとよくわかるのですが、ゴム印よりも柔らかいです。
また補充インクを間違えるとインクが固まってしまったり、1万回などの捺印制限もあったりと耐久性においては不安定です。
つまり印鑑登録には、ゴム印以上に適しません。
最後に
ゴム印やシヤチハタは柔らかくて捺しやすいのが特徴なので、事務作業で連続捺印をする場合や、荷受けの確認、学校などへの提出物などには非常に便利です。
一方で印鑑登録や公的文書は、利便性よりも正確性を求められます。
そのため自治体によっては、百均で売られているようなプラスチック材も不可、なんて所もあるようです。
参考ですが印章の価格の違いは、耐久性に比例します。
木材は朱肉の油の影響で脆くなる可能性が高いのに対して、象牙やチタンは朱肉の油の影響を一切受けませんので長持ちするなど。
一見同じように見える印ですが、構造は千差万別です。
またその構造は、目的に特化して作られています。
それぞれの目的を理解して、正しくご利用ください。