ワタクシ今日はその方にたっぷりエネルギーを頂いたのでお話したいと思います。
「それより私の会社の銀行印を作りたいんです!」
とのお話に。
伺うと以前会社さんの実印を当店でお作りになったとのコトで見せて頂くとそれは・・・
極上象牙18㍉天丸材のワニ皮ケース入り実印!
当店でも最高級の逸品でございました☆
なぜうろ覚えなのか言い訳を致しますと、実はワタクシの親父がご注文を受けた方だったのですね。
「前社長の熱いお言葉に感銘を受け、一番良い物が欲しくなり購入させて頂きました」とのコト。
親父はお一人お一人のお客様に商売度外視にして、ハンコの大切さをそれはそれは熱く語り続けておりましたからね!
未だに親父の言葉を心に刻まれてる方々の多い事に、改めて私も親父感謝です。
「こちらでこの実印を作ってから我が社も運気が上がり、少人数ではじまった会社も今では素晴らしい社員が70人にもなりました。それも全てこちらの魂のこもった実印のおかげです。手彫りの判にはパワーがあります。職人さんが魂を込めた作品はそれだけでオーラを放ちます!」
実はその判を彫ったのは私でした。
こんな嬉しいお言葉はございませんよ。
そして改めて緊張感で一杯になりました。
そして今回は、今までその象牙の実印1つで全てを執り行ってたそうで、さすがに心配で銀行印を作って併用されたいとのコトでした。
お伺いしますと
「本来営業の方に渡してはいけない実印なんですが、業務の簡略化のためにやむを得ず預けた時に、その実印の取り扱いがあまりに雑である」と。
「練り朱肉にも関わらず強く付けてしまったり、捺し方もダンダンダンッ!と三文判の様に取り扱われ、さすがにこの実印は誰にも触らせたくない!」
それだけ実印を大切に考えられてる証ですからね。
嬉しいじゃありませんか!
そしてこんな事もおっしゃってました。
「我々は銀行さんからお金を借りてなんぼの仕事です。だからそのためには多少話に装飾をつけてでもお借りしたいんです。でも銀行さんもプロですから、我々の本質なんて見抜いちゃうんですね。しかしながらその時銀行さんが最後に判断するのは、その持っている実印なんですよね。」
確かにそうかもしれませんね。
ご自身の分身である実印ですからね、印鑑を重用視されてる方はその方も本質も間違いない!と判断して頂けるのかもしれませんね。
その方はこうもおっしゃってました。
「ただ銀行の行員さんの中にも、営業の方の中にも、判の取り扱いの雑な方は多いです。そういう方からはお金を借りたり、仕事をお願いしたりなんて怖くてできません。だから今回銀行印を作ろうと思ったのですが。判の扱い方は、その方の育ちや背景、そしてどんな経験をされてどんな想いで仕事に取り組まれてるかまで分かってしまう物です。」
・・・ん?待てよ?
実印の扱い方が悪いのはその方の責任だけでなく、我々印章業界の責任なのではないか・・・
我々はきちんとしたハンコの取り扱い方のご説明を今までしてきたのだろうか?
安かろう悪かろうでも売れればいいやと、ただの「物」として実印を販売してきてしまったのではないだろうか?
そして実印の価値をちゃんと伝えてきたのだろうか?
隅々まで伝わってないって事は伝えてないのと同じ事なんじゃないだろうか?
だってヨーロッパのスーパーブランドの価値は誰でも知ってるんですからね!
最後にはそんな想いになってしまいました。
この方のお話を伺っていて、良い事悪い事、そして私がこれから何をすべきなのかを教えて頂いたように思います。
ありがとうございます!
親父がお客様に伝え続けていた判の大切さ、それを世に広める事が私の仕事。
そう心に誓った事を改めて思い出させて頂きました。
そういえば最近、ワタクシの親父にまつわる話をお客様から伺う事が多くなりました。
これも何かの意味があるのかもしれません。
そしてもしかするとこちらをご覧のみなさまも、どんな人だったのか多少なりとも興味があるのかもしれません。
そろそろ書きますか。
親父の事を・・・