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民生、盛り金丹ソールドアウト

  1. 印材
  2. 505 view

鈴印には密かに厳選された一点物の象牙印材がございます。
これは先代・先先代から、印鑑に最も適している素材として大切に扱ってきた歴史に基づきます。
とは言え、近年は良い素材ほど入手が困難になってきました。
ましてや象牙となりますと現在は、国内には1本も入ってきていませんので余計です。

そんな中また1つ、鈴印の誇る素材がソールドアウトとなりました。

 

民生、盛り金丹とは

民生(みんせい)とはなんぞや?って思われるかもしれませんが、こちらは今は亡き象牙の象嵌士「山崎民生」さんによって作られた印材です。
最も有名な象嵌士でもあり、文化功労者賞を受賞された民生さんが作った印材は、証としてその名と花押を彫り込まれ、現在ではほぼ全て入手困難となっています。
民生の銘入りの材料はどれもが特に厳選された象牙から作られているため、その独特なアイボリー色の魅力もさることながら、私たち彫刻士にとってはなんとも言えない硬いけど滑らかに刃物が走る感触が、他にはない独特な気持ちよさと緊張感を感じさせてくれます。

さてさて、そんな中今回の品はさらに希少価値の高い逸品。
鈴印ではこれまで長きに渡って民生の材料も数多く入手してきましたが、その中でも私の親父がその入手の困難さから一番大切にしていたシリーズがあります。それが今回の「盛り金丹」付の材料。
写真を見ていただくと、材料の上下の印のように盛り上がった金が見えるかと思います。
これが「盛り金丹」
一般的には上下の印に削れていたり、あとは安価な物だと何かを接着剤で貼ったりですね。
ちなみに接着剤で貼った物などは、爪が引っかかると取れてしまいます。
それが民生の盛り金丹は印材自体を削り込み、そこに金丹と呼ばれる板状の金を埋め込んでいます。

図にすると以下のような感じです。

 

接着剤は一切使わず、象牙で金丹を挟み込む形状です。
この互いに支えある形状によって、象牙や金の温度によって収縮する特性による落下を防いでいます。
また出ている部分が多ければ多いほど引っかかり取れてしまう可能性も高まりますが、そこまでも計算し尽くして落ちないように設計されています。
もちろん金丹に使用される金は24Kです。
とまあ、途方に暮れるような緻密さがこの材料には隠されているんですね。

実際過去を振り返りましても、密かに4本しか手に入らなかった希少品。
これまで3本はすでに販売済みで、残りは1本でした。
それがこの度、無事お客様の手元に渡ることになり、鈴印の在庫もついに0になってしまいました。
まあこの書き方からも個人的には、販売できる嬉しさと手元になくなる寂しさが入り混じっているのがお分りいただけるかと思います。

 

購入いただいたお客様もスペシャルな方でした

今回はあえてどなたか特定できる書き方はしません。
とは言えあまりにすごい方だったので少しだけ。

そもそものきっかけが鈴印ブログであったことに、まずワタクシ的に驚き。
やはり持ち物には相当なこだわりを持たれた方でした。
それも決して見せびらかすように華美ではなく、ひっそりと1つ1つがもの凄そう。
その中でも一番驚いたのがこちらでした。

一見特段変哲のない首元に下げられたネックレス。
これがなんと・・・紀元前の石。
紀元前のものってワタクシ初めて見ましたよ!
それだけでも驚き、気になって価格を伺ってさらにびっくり。
1粒でお手頃な新車が買えます。
まあそもそもワタクシ自身「紀元前」という言葉を授業以外で聞いたのは初めてかもしれません。
ちなみに同じ種類のものをエリッククラプトンさんなんかも愛用なさってるそうですね、、、汗

もはや異次元すぎて、何やら別世界の方とお話をしている気分になりました。
なんかここまですごいと上手く文章で表現できないんですよね。
なので1つだけ書かせていただきます。
ありがとうございました。

 

最後に

今回はソールドアウトのお話ですみません。

盛り金丹はなくなりましたが、まだ民生自体は多少ですが残っています。
とは言え、数もかなり少なくなりました。

いずれも24Kの金丹付きの材料になりますし、ある意味盛り金丹よりも希少価値のある材料も存在します。
ただしこちらも誠に勝手ながら、今後もWebサイト等で販売する予定はございません。
これは手に入れた親父との約束です。
親父も自分が気に入った方にしか販売しませんでした。
そのため誠に勝手ながら民生に関しましては、店頭のみのお取り扱いとさせていただきます。

もし気になる方がいらっしゃいましたら、直接お問い合わせください。
もれなく逃げ腰のワタクシの回答が、待っていると思われます♡

 

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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