ここ最近は決算の関係で、店内のありとあらゆる在庫を調べています。
すると、今まで気がつかなかったような品に巡り会います。
まあ以前はそういった特殊な品を見つけても数えて元に戻しておしまいでしたけど、やっぱこうしてブログなんぞ書いてますと「あっ!いいネタ見つけた!」って感じになったりするワケですよ。
そんなワケで急遽の思いつき企画。
超貴重な象牙印をとってもお手頃な価格で
検定用象牙印
まずは何が貴重なのかをご説明したいと思います。
こちらの材料は、ある特殊な環境のために作られた象牙。
そして作られた時代は、多分今から50年以上前。
現在私たち印章を彫る職人は「一級技能検定試験」を受けて、合格すると「一級印章彫刻技能士」を名乗れるワケなんですが、その検定試験に使われていた象牙。
現在は、象牙のような貴重品を試験には使うコトはなく柘植の木になりますが、昔は象牙もお金もたくさんあったのかもしれません♡
なんと、その検定試験に象牙が使われていたとのコト。
そのため、誰が彫ったか分かるように表面にシールの貼ってあるモノも。
私の親父はある意味象牙コレクターでしたので、今から30年ほど前にこの象牙にまつわるストーリーを聞き「これは面白い!」と即決したそうです。
ちなみに親父が検定試験を受けた際も、やはり柘植だったそうです。
作られたのが50年以上前、購入したのが30年以上前。
つまり今後も入手不可能。
象牙は昔のモノほど品質も高く、それに伴い価格も高くなってきています。
またこの種の材料は希少価値も高く、本来であれば高く販売しても良いのか?とも思います。
だからもしかすると「もったいないから売らないで取っておいたほうがいい」との声も聞こえてきそうです。
しかし今回はお安く提供したいと思います。
では次に、なぜそんな貴重品をお安く販売するのかをご説明いたします。
安くする理由はこの2つです
1.長さが規格ではないため、ケースが合わない
材料と朱肉の間に、少しのスペースがあるのが分かりますでしょうか?
本来印章の長さって、36ミリ・45ミリ・60ミリ・75ミリ・・・と、尺貫法の数字になるため、このくらいの長さだと本来は45ミリが規格になります。
ところがこちらの検定用象牙印は、40ミリ。
そのため規格のケースだと5ミリ足りないんですね。
だから私たちから見ると、なんとなく中古感や使い回し感を感じてしまいます。
もちろん中古でも使い回しでもなく素材も本当に良いモノですけど、日頃完璧を求めている私たちからすると心理的に負い目を感じてしまう部分でもあります。
2.若干の色焼けがある
なんとなく黄ばんでいるのが分かりますか?
本物の象牙は歯や骨と同じカルシウムですから、年月と共に色焼けします。
通常、鈴印で扱う象牙はその色焼けも防ぐために、様々な対策ととっています。
ところが、棚卸しの時だけ出して数えてしまうだけでは、どうしても表面部分のみが色焼けしてしまいます。
こちらももちろんみなさんが普通に保管されていても起こりうる現象ではありますが、新品で購入するつもりで「これは歴史です」って言われても、私なら綺麗な方がいいっす。
そんなワケで本物であるが故に避けられない現象ではありますが、それが鈴印で扱う最低基準をクリアしていなければ、新品として扱うにはこれまた負い目があります。
最後に
品質はかなり高めで、しかも検定用という特殊な環境だけのために作られた象牙で今後の入手は不可能。
しかし長さが40ミリと特殊で、若干の色焼けがある。
ちなみにサイズは全て15ミリです。
そのためフルネームの実印としても、また銀行印としても使えるサイズです。
象牙としての品質には全く問題はございません。
最後に価格を申し上げますと、通常鈴印で扱う象牙で45ミリ丈×15ミリ丸の場合、トカゲ革ケース入りで(税別)50,000円です。
それに対して今回の検定用象牙印40ミリ丈×15ミリ丸に限り、モミ革ケース入り、彫刻料込みで(税別)20,000円とさせていただきます。
※数に限りがございますので、おひとり様1本に限らせていただきます。
と、ここまで書いた時点でもまだ「もったいないかな〜」と悩み中のワタクシ・・・♡
おかげさまを持ちまして、2021年7月8日に全てソールドアウトとなりました。
ご注文誠にありがとうございました。