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お知らせ

実印は孫への贈り物

今日はおじいちゃん、おばあちゃんにとって、孫への特別な贈り物についてお話しようと思います。

我が家ではありがたいことに奥様のご両親は健在ですし、私自身も母は元気です。
そして3人の子宝に恵まれ、祖父母と孫という素敵な関係を築いています。
振り返ると私の祖父母も、私に対して本当に良くしてくれましたことを今でも思い出します。
よく親子と、祖父母と孫の関係は違うと聞いていましたが、まさにそれを体感している今です。
だって明らかに私たち子供よりも、孫に対して甘いんですからw

気がつけば私たち親よりも、子供たちに多くの物をプレゼントしてくれている祖父母。
それはおもちゃやお菓子だけにとどまらず、心に残るものまで多岐に及びます。
また今必要なだけでなく、人生の大先輩として希望を込めたり、将来を見据えた贈り物であったりもします。

 

イギリスでは銀のスプーンを孫に贈る文化があります

ご存知の方も多いかもしれませんが、イギリスでは古来より新生児に銀のスプーンを贈る習慣が根付いています。
そこに込められた願いは、新生児が幸運で豊かな人生を送ること。

銀のスプーンを贈る風習は、昔のイギリスの社会階級制度に由来するそうです。
当時のイギリスでは、銀製品は裕福な家庭だけが所有できる高価なものであったため、新生児に銀のスプーンを贈ることは、その家族が社会的に高い地位にいることの象徴でした。
そして現在では新生児への愛と希望を願い、出産祝いや洗礼式で祖父母が孫に贈られています。

そこに込められた願いは、以下の3つになります。

  1. 食べ物に困らないように
  2. 魔除けやお守りとして
  3. 銀食器を作る職人の想いと共に

赤ちゃんがこれからの人生で困らないよう、お守りとして、作り手の想いのこもった銀のスプーンを、祖父母から孫へ贈っているんですね。
ここまで読んで、日本においても銀のスプーンに匹敵するような文化が続いていることを思い出しませんか?

 

実印は人生の大きな決断を間違えないためのお守りです

実は「実印」も銀のスプーンと同じような意味合いが込められているんです。

そもそも印章自体、歴史を遡ると権力の象徴でした。
選ばれた位の高い人しか使うことが許されなかった印章。
共に同じルーツを持つことがわかります。

そして3つの願いについても同じような意味が隠されています。

 

1.大人になって決断で困らないように

実印は一生に一度のアイテムです。
一度作るとその後の人生において、ずっと使い続けるものでもあります。
自分の意思だけで実印として使えるのは成人になってからですが、それはつまり成人した後までをも見据えた贈り物になるということです。
おじいちゃんやおばあちゃんから贈られた印章、それだけでも捺すことが特別な意味を持つことは誰にでも必ず伝わります。

実印を使うタイミングはそう多くないかもしれません。
ですがその1回は、人生を左右するだけの大きな意味を持ちます。
間違えて捺せば大きな災難に巻き込まれてしまいますし、正しく捺さなければ大きく羽ばたくこともできません。
そんな人生の大きな決断で困らないように、そんな想いが込められています。

 

2.決断のお守りとして

実印を捺すときは大きな決断の時です。
その大変さは経験者ならどなたでも感じたことがあるはずです。
一方で、経験をしたことがなければどう判断していいか困るのがそのときです。
成人し社会人とし認められているとしても、経験していないことはたくさんあります。

やり直しができる失敗なら多く積み上げたほうがいいことでしょう。
しかしやり直せない失敗は、当然子や孫にはさせたくないはずです。
実印の失敗は、取り返すのが本当に大変だそうです。
例えば人の借金を返さないといけないから、などがそれにあたります。

成人すれば、祖父母や親元を離れて自分の意思で決断ができるようになります。
でもその最後の捺印の瞬間に、贈られた実印なら贈った方の顔が浮かびます。
決断が家族にとっても最良のものなのか?
それらを冷静に考えるきっかけ、つまり決断の際のお守りにもなっています。

 

3.印章を彫る職人の想い

あえて言葉にする必要はないのかもしれませんが、鈴印の印章は全て当ブログを書いている私が彫っています。
なのでここでは作り手目線で書きたいと思います。

私自身、お客様の想いや言葉の影響を多大に受けます。
分業制ならまだしも、一貫して作っているだけに余計です。
そのため店頭での会話はもとより、WEBでのご注文の際も一言一句何度も何度も読み返します。
文字デザインを考えるとき、書くとき、彫るとき、仕上げるとき、その全てにおいて頭をよぎり続けます。
そしてやはり想いが大きいときほど、よくできるものです。
もしかするとここは自己満足の世界なのかもしれませんが、想いにお応えしたい、その気持ちに影響があることだけは間違いありません。

鈴印にご依頼いただく全てのお客様はきっと、そんな想いが通った印章を求められているのだと感じています。
ご安心ください、全てきちんと伝わっています。

 

最後に

銀のスプーンと実印、どちらも道具として見るだけなら、どんなものでも事足ります。
ところがどちらもそれだけではない「想い」が内包されています。
西洋における「銀のスプーン」と同じように、日本における「実印」もお孫さんとって「人生の大きな決断を間違えないためのお守り」となるでしょう。

国が違えば当然文化も違います。
しかし文化が違っても、想いは一緒であることがわかります。
祖父母から孫への想いは、国も時代も超えて普遍です。

孫たちの幸せな未来のために。

そんな想いと共に贈り物としてお考えください。
お孫さんは捺すたびに、おじいちゃんやおばあちゃんの愛を感じていただけることでしょう。

 

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