世界へ、ハンコを。ニューヨークから届いたロゴデザインのご依頼
今回ご紹介するのは、海を越えて舞い込んだ、ロゴデザインのご依頼です。
ご依頼くださったのは、ニューヨークで美容室「Sugi salon」を営む杉村様。
なんと鈴印ブログをご覧いただいたことがきっかけで、「ハンコっぽいロゴを作ってもらえませんか?」とのご連絡をいただきました。
ちなみにそのきっかけとなったのが、こちらのブログ。
▶︎ ビジネスと個性を彩る「ハンコ」をモチーフにしたロゴデザインの受注はじめました
正直、最初は少し驚きました。
なにしろハンコのロゴって、日本文化の象徴みたいな存在。
それをニューヨークのサロンで使いたいとおっしゃってくださるとは…!
嬉しさと同時に、気合いも入った瞬間でした。
デザインのはじまりは、「杉村」の文字から。
ロゴのモチーフは、お名前の「杉村」。
この「杉」と「村」、実はどちらも“木へん”がつく文字なんです。
縦に重ねたときの美しさやまとまりがよく、印章としてのデザインにも最適でした。
最初の段階では、漢字だけ、ひらがな、アルファベットなどいろんな案が出ましたが、最終的には「杉村」を縦に並べた、ハンコらしさのある印象に決定。
ここから、強弱・構図・余白など細かなバランス調整が始まります。
感性と色のプロフェッショナルと共に。
今回のロゴ制作では、ご依頼主である杉村様の感性の高さが、とても大きな支えになりました。
美容師というお仕事柄、色の見え方や組み合わせへの感覚が鋭く、
「このブラウンに、少しグレーを混ぜたような色が理想です」
「アクセントカラーは、店内のこの壁紙の色に近いです」
など、言葉では伝えづらい部分を的確に共有していただけたおかげで、ロゴの完成度が大きく高まったのを実感しています。
私ひとりでは決して生まれなかった色合いやバランスが形になっていく工程は、まさに“共同作業”。
やりとりの中で、こちらが学ばせていただくことも多くありました。
「可愛いけど、上品で、飽きない」そんなロゴへ。
美容室という業種に合わせて、柔らかさと親しみを大切にしつつ、しっかりと個性を打ち出す。
さらに、紙袋に押すスタンプとしての実用性も考慮する必要がありました。
途中で色味の相談や、「墨だまり」を太くしたいといった具体的なご要望にお応えしながら、やり取りはどんどん深くなっていきました。
時差のある中で、毎日届くメールでのやり取りを開くのが、私の楽しみにもなっていました。
「これ以上ないほど理想のロゴになりました!」
完成後にいただいたこの一言。
何よりものご褒美です。
「自分の想像だけでは決してたどり着けなかった。鈴木さんにお願いして本当に良かったです。」
そうおっしゃっていただけたことが、これまでのやりとりすべてを報われる瞬間でした。
ロゴは今後、紙袋や窓に貼るシール、そしてスタンプにまで活用される予定です。
耐油性のあるゴムを使って、しっかりとした使用感もお届けしたいと考えています。
なお杉村様からは、ロゴを紙袋や店舗の窓、ウェブサイトなどに設置後、改めてご連絡をいただける予定です。
実際に「Sugi salon」にロゴが溶け込む様子を拝見できるのを、今からとても楽しみにしています。
最後に
海を越えて、印が旅立つ。
印章という文化は、もともと日本を代表するアイデンティティのひとつ。
その伝統を、デザインという形で現代に昇華し、世界へ届けられることに、心から誇りを感じています。
また新たな「印」が、海を越えてニューヨークの地で活躍してくれることを願ってやみません。
そしていつか、現地「Sugi salon」様にお伺いできる日が来るのを、密かに楽しみにしています。
杉村様、このたびは本当にありがとうございました。
Instagramでもご紹介しています
今回のロゴは、Instagramでもご紹介しています。
ブログでは制作ストーリーを、Instagramでは完成ロゴのビジュアルを中心に、それぞれ違った雰囲気でご覧いただけます。
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