成人を迎える皆さま、おめでとうございます
今年成人を迎える皆さまにとって、この日が特別なものとなることを心よりお祈り申し上げます。
このブログは、2022年に成人年齢が18歳に引き下げられたことを受け、2021年1月5日に公開した内容を現状に合わせて再編集したものです。
また成人の日に向けて、2025年1月11日、最新の情報を反映しました。
ここでは成人に伴う自由と責任の変化や、実印をはじめとする契約に関する重要な情報をわかりやすく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
18歳で大人になる時代、その自由と責任とは?
かつて成人になることは自由と引き換えに責任を伴うものでした。
しかし、成人年齢が18歳に引き下げられたことで、自由と責任のバランスが少しややこしく変わっています。
20歳の成人式では「お酒が飲める」「タバコが吸える」などの自由が大きな話題となっていました。
一方、現在の18歳成人では、お酒やタバコの自由は与えられない一方で、契約や意思決定における責任が伴います。
自由が制限される一方で、大人と同じ責任を負うことに対して、実際の当事者がどう感じているのか、ぜひ聞いてみたいところです。
では、成人になると具体的に何が変わるのか、次に見ていきましょう。
民法が定める成年年齢
成人、つまり成年は民法で次のように定められています。
・一人で契約をすることができる年齢
・父母の親権に服さなくなる年齢
成人すると、親の同意を得なくても自分の意思で様々な契約ができるようになります。
例えば、未成年の場合は携帯電話の契約や一人暮らしの部屋を借りる際に親の同意が必要です。
しかし、成人になるとこれらの契約を自分一人で進めることが可能になります。
また親権に服さなくなるため、進学や就職など、住む場所や人生の進路についても自己決定権が認められます。
特に重要なのは、親の同意がなくても契約が成立するという点です。
実印を必要とする高額な契約には、これからは自らの責任が伴います。
日本の契約の仕組みと印鑑登録
日本の契約の仕組み
日本では車や家などの高額な契約を成立させるために、実印と印鑑証明書が重要な役割を果たします。
この仕組みは、契約の安全性と信頼性を高めるために設けられています。
契約は、お互いが契約書に実印を捺し、その印鑑の証明書(印鑑証明書)を添付することで成立します。
これは「言った・言わない」のトラブルを防ぐための重要な手続きです。
実印: 役所に印鑑登録した印鑑。
印鑑証明書: 登録した印鑑を公式に証明する書類。
これにより、契約当事者の本人確認が確実になります。
印鑑登録の手順
実印を作成した後、役所で印鑑登録を行います。登録には以下の手続きが必要です。
1.本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を持参する。
2.居住地の役所に印鑑を登録する。
3.印鑑カードが発行され、これを用いて印鑑証明書を取得可能になる。
最近では、マイナンバーカードを利用してコンビニでも印鑑証明書を取得できる便利なサービスがあります。
実印の重要性
印鑑登録をした実印は、高額な契約や重要な局面での意思を明確に示すために使われます。
サインでは代用できない理由は、印鑑証明書という公式な第三者の確認があるからです。
ちなみに、サイン文化が根付いている欧米では、小さい頃からサインを繰り返し練習し、同じ形で書けるように習慣化されています。
また、重要な契約の際には公証人が第三者として契約書に立ち会い、契約内容やその成立過程の信頼性を補強しています。
一方、漢字文化を持つ日本では、同じサインを毎回正確に書くことが難しいため、印鑑という仕組みが生まれました。
そして、役所が印鑑登録を行うことで、公証人の役割を補完する形が確立されています。
このように、日本の契約制度において実印と印鑑登録は、本人の権利を守るための重要な仕組みとなっています。
デジタル時代でも実印の重要性
電子契約やデジタル署名の普及が進む中でも、実印の必要性は依然として高いままです。
これは、実印が契約時に本人の意思を明確に示す唯一の手段として機能しているためです。
・実印は本人の意思を明確に示すための公式な証明手段である。
・印鑑登録制度に基づいて役所が発行する印鑑証明書と併用されるため、信頼性が高い。
このような背景から、日本の契約制度において実印が重要であることは、デジタル化が進む現在でも変わりません。
そして、実印が単なる契約手段としての役割だけでなく、特別な想いを込めた贈り物としても大切にされていることをご存じでしょうか?
なぜ実印は成人の際に親から子へ贈られるのか
成人を迎える際、多くの方が親から実印を贈られることがあります。この理由を一言で表すと、「お守り」としての役割があるからです。
契約にはリスクが伴う場合もあり、不用意な捺印が人生を左右することもあります。そのため、実印を「簡単には押せない特別なもの」として贈ることで、慎重な判断を促すのです。
ご存知でしょうか?
実印は親から子への贈り物です。
なぜなら親御様からプレゼントされた実印は、押す時必ず送り主の顔が浮かぶからです。
実印を押す瞬間は人生の中で、最も大きな節目です。
その一生忘れられない大切な一瞬から、豊かな人生がはじまります。
しかし一方で保証人のような誤った捺印をしてしまうと、真逆の運命を辿ってしまいます。
つまり、実印を押すという行為は、その後の人生を決めるほどの重要なタイミングでもあるのです。
実印は親から子への贈り物。
その言葉に隠された本当の意味は、親から子への最上の愛です。
ある方はこのようにおっしゃいました。
「私は実印を贈る際、3つの想いを込めました。責任、自覚、そして親の愛です。いつまで経っても子供は子供です。心配なんです。でもいつまでもついている訳にはいきません。だから大切な子供たちの人生を守るために、私は実印を贈りました。」
この贈り物には、そんな親御様の大きな愛が込められています。
この世で一番大切なあなたのために。
最後に
成人になるということは、人生の中でも大きな転換点です。
これまでは、親が見えないところで守ってくれていたことも多かったかもしれません。
しかし、これからは自分自身で決断し、その責任を負うことが求められます。
その中で、実印を捺すという行為は、人生の大切な瞬間において自分の意思と決断を示す象徴的なものです。
だからこそ実印は、親から子へ贈られる特別な存在として長く受け継がれてきました。
重要な契約や人生の岐路で迷うこともあるかもしれません。
そんな時は、実印を手に取り、贈ってくれた親御様の想いを感じながら、自信を持って進んでください。
それでも迷ったときには、直接親御様に相談してみてください。
きっと、最適な答えが見つかるはずです。
実印を贈る人は、あなたの人生を一番大切に思い、心から応援している人です。
その想いを胸に、新しい人生の第一歩を踏み出してください。