ハンコの書体は興味ありますか?あまりないですか?
みんな同じように見えるけど、どこか違うの?
普段あまり馴染みのない文字だから、よく分からん!ってのが本音でしょうか?
いずれにしても我々ハンコを彫る職人の一番の仕事は、この文字を作ることです。
なので本音を言えば、一番お任せいただきたい部分でもあります。
とは言え、適当に思いついて書体をチョイスしているワケじゃなく、ある程度の「ガイドライン」は自分の中にあるんですね。だからそのなんとなく思っていたガイドラインをあえて文章にしてみました。
実はこんなイメージをベースに考えております。
ハンコの書体は篆書(てんしょ)体がいいの?印相体がいいの?
よくハンコは「よく読めない方がいいの?」とか「枠に文字がついていた方がいいの?」とか言われますよね?
よく調べてる方は「吉相体が縁起がいいって聞いたんですけど」「八方体が縁起がいいってきいたんですけど」「あのお札に押してある書体がいいんですけど」と彫り方をご指定される場合もあります。
一方で「あのなんかぐちゃぐちゃしてて読めないのは嫌だ」とか「読めないと逆さまに押しちゃうから読みやすい書体がいい」なんてご意見も頂きます。
お客様はそれぞれ価値観が違いますから、ご意見も様々です。
じゃあ一体どの書体がいいのか?
先に私の持論を言ってしまいますと・・・
格好よければどれでもいいんじゃない?
です。
正確には「(文字として間違ってなければ)格好よければどれでもいいんじゃない?」ですね。
格好よければどれでもいい理由
鈴印では文字フォントは使わず、全て一から文字をデザインします。
デザインするってどういう事かって言いますと、実印に使う文字は、例え同じ文字でも様々な種類があります。
ちなみに文字の基本は全て篆書になります。お札に押してあるアレですね。
そしてその複数ある文字から、上下左右の文字に合わせて組み合わせを変えます。
それに実際は文字の拡大解釈もあったりするので、お名前と書体が決まってもその先の文字の構成は作り手によって変わります。
ちなみに上に書いた「吉相体や八方体」は総称して「印相体」と呼びます。
こちらは篆書を元に、文字の線を伸ばして隣の文字や枠に付ける彫り方です。
伸ばす線や、付ける位置はこれまた作り手によって変わります。
つまり、どの書体でも作り手によってデザインが変わるんですね。
そのためどの書体をお選び頂いても一番格好よくデザインするのが我々作り手の腕次第、つまりはデザイン力となるので、私はどれでもいいと考えております。
とは言え結論
ここまで書いて「じゃあ、どっちにしたらいいの?」つまり最初に書いた「ガイドライン」の疑問に答えてないですね。
なので、ここで結論を。
実印
フルネーム印の場合は、お好みで選んで頂いて問題ないです。
歴史的ある文字がいいから「篆書体」でもいいですし、縁起が良さそうな「印相体」でもいいです。
あとは私が内容に応じて、一番格好いい文字に仕上げます。
ただ特にこだわりがなければ防犯の意味もあり「古印体」は避けた方がいいかもしれませんね。
ちなみに実印は多少読みにくい方が、不思議と重みが出ます!
それでも決められない場合はご相談ください。
お名前と材料の直径や性別、それからイメージを伺った上で作成致します。
銀行印
お苗字のみの印やお名前のみの印を、ここでは総称して銀行印と呼びます。
左から「前田」「前田」「幸子」「前田」となっていて
左から「篆書体」「印相体」「印相体」「篆書体」となっています。
今まで様々な判をデザインしてきましたが、私の個人的な結論は・・・
縦の場合は「印相体」、横の場合は「篆書体」が綺麗に入る場合が多いです。
上のサンプルで言うと一番左の「前田」と右から二番目の「幸子」です。
横の印相体は複雑になり過ぎる場合があり、縦の篆書体は横のスペースが空きすぎて認印っぽく見えてしまいます。
いずれにしても、とにかく全て手作りですので、困った場合は一度ご相談下さい。
内容に応じて、ベストなご提案を致します。
迷った時はまずご連絡ください。
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