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水牛材、高い物と安い物はここが一番違います!

実印などの印章に使われる素材は様々。
その中でも象牙や柘植、そして今回ご紹介する水牛などの天然の素材に関しては、天然であるがゆえに品質に大きな差があります。
同じ「水牛」でも高い水牛と安い水牛が存在します。
これは例えばレザー製品やお肉に例えれば分かりやすいでしょうか?
同じレザーでも最高級の栃木レザーがあり激安のレザーもあり、はたまた入手困難なA5ランクの牛肉があり安い牛肉もある。
水牛は牛の角のため、革や肉と同じように品質に大きな差があるんです。

とはいえ、なかなか比較する機会の少ない角の品質の違い。
その違いを徹底的にご紹介したいと思います。

2014年6月5日に公開したブログですが、2018年10月4日に大幅にリライトしました。

 

角には黒い黒水牛と、白い牛角があります

こちらはご存知の方も多いかもしれませんが、水牛には黒水牛と白水牛がございます。角には黒と白がございます。
黒い「黒水牛」と白い「牛角(うしのつの)」になります。
※これまで鈴印では分かりやすく「黒水牛」と「白水牛」と表記しておりましたが、より正確性を高めるために今後は「黒水牛」と「牛角」と表記して参ります。

またこれらは色が違うだけ?って思われている方も多いようですが、正確には牛の種類が違います。

【水牛の個体差】
●黒水牛=東南アジアやを中心に生息する、水牛の角
●牛角=オーストラリア・アフリカを中心に生息する、肉牛(陸牛)の角

そもそも水牛と肉牛とで、個体が違うんですね。

また色の違いは製造工程の違いにもよります。

【水牛の色の違い】
●黒水牛=自然のままの黒も稀にあるが、そのほとんどが薬品で黒く染めている
●牛角=全て自然の色そのままで、色が入っていない白い物ほど高価となっている

つまり自然のままで白っぽいものほど高価とされています。

それから角の大きさも異なります。

【水牛の大きさと入手状況】

●黒水牛=右上2本の大きい角
ただし近年では生産地が機械化され、農耕用に使われる水牛の数が激減してきている。
●白水牛=左下の小さい角
ただし食用や革製品にもなる牛でもあり、傷などによって肉や革の価格下落を防ぐため、現在は角の大きさがさらに小さく品種改良されている。

 

【角の色の違いのまとめ】
黒水牛は水牛の黒っぽい角で、黒く染めいていて、角が大きいため、白水牛よりも安価に入手できる。
ただし現在は近代化で水牛の需要が減り、数も減少してきている。
牛角は自然のままの白っぽい角で、「白」と「色」など色合いや質感に違いがあり、そのグレードによって価格が変わる。
ただし食用でもあり革製品の元になる牛のため、近年では傷がつかないよう角が小さく品種改良され、数も減少して来ている。

補足になりますが、以前牛角は「オランダ水牛」との名称でしたが、オランダ産でも水牛でもないため現在は「牛角」に統一されています。
※ちなみに「白水牛」は、白い水牛の角のため、全く別物になります。

 

同じ角でも価格が違うのは、素材のグレードが違うから

同じ黒水牛と牛角なのに価格が違って来ますが、今度はその同一素材なのに異なる点を見ていきたいと思います。

取れる位置によって価格が変わる

角は全てが印材になるわけではありません。
写真をご覧いただくと分かりますように、根元の部分は空洞ですから、印材として使うことはできません。
また最高級品に関しましては、1本の角から1〜2本しか取ることができません。
場所のイメージはこんな感じです。

角の先端の中心、いわゆる芯が通ってる芯持ち材が最高級品です。
もちろん芯を外した外側の部分も印材として流通していますが、これは俗に「割り」と呼ばれ、時間の経過と共に反ったりひび割れてしまいます。
その反った印材がこちら。

ひびがこちら。

このように中心を外した角は安価に入手できますが、反面経年変化か著しく、あまりオススメできません。
もちろん鈴印で扱う角は全て、中心の先端、いわゆる1つの角から1〜2本しか取れない厳選された部分のみです。

芯の大きさによって価格が変わる

また先ほど申し上げました、芯。これも見方によってはかなりの曲者になります。
先に結論を申し上げますと、芯が小さい角は高価で、逆に芯が大きい角は安価です。
こちらも画像でご説明しましょう。
まずは鈴印で扱う小さい芯。
 

中央にポチッと見える点が芯持の証でもありますし、非常に小さい点なのが分かるかと思います。
対して芯の大きい角。

芯の部分が大きいと印面の凹みが激しく、どれだけ綺麗に彫っても、中央部分が全く綺麗に写らなくなってしまいます。

たまに中央がかすれるのを見かけたことがあるかもしれませんが、その原因がこの芯の大きさです。
またさらに酷いのになると、芯の部分が完全に空洞になり、見事に穴が空いてその部分が丸ごと写りません。
なので芯持ちだからといって、全てが良いとは限らないのでご注意ください。

そしてもちろん鈴印で扱う角は私が全て検品し、上記のような不具合を起こす可能性のある材料は一切排除しております。

メーカーによっても品揃えが違う

私たちの業界で角の最高峰を取り扱うメーカーさんといえば、昔から小山良さん。
最高級の印がこちらの「山に良」のマークの「小山良」製の信頼の証になります。
そしてこちらも当然数ランクに分かれてますが、鈴印ではその内の最高クラスのみを取り扱っております。
ちなみに小山良さんの素材の特徴は以下の3点。

  • 艶が美しく、磨けば磨くほど光り輝く
  • やや黄色がかった高級感のある色合い
  • 寝かせた時間が長い

この艶は誰でもはっきり分かります。
私たちは彫刻後、お納めする前に全ての印章をバフで磨きます。

その際に小山良さんの角は見事に光り輝きます。
またトップ画像にもありますように、牛角に関しては黄色がかった色合いが特徴。
一般的にはグレーよりの牛角を多く見かけますが、黄色がかった方が上品な印象。
もちろん色合いはお好みによりますので一概に決めつけられませんが、私は黄色い方が好みですので、そういった色を多く取り揃えております。

そして3つ目の寝かせた時間ですが、これは上記で述べた反りやひび、また芯の変化を安定させるのに役立ちます。
いずれも時間の経過と共に起こる経年変化ですので、時間をおいた方が現象が出やすい。
例えば芯は多少凹んでいた方が安心と考えています。凹んだ角を丁寧に平らにすれば、それ以上の変形を大幅に防げます。

逆に一番怖いのは変形前に彫刻し、お客様が実印として登録した後にこの凹みが出てしまうこと。
そのため寝かせる時間を少しでも多く取って、お客様のお手元に渡った際の変化を防ぎます。

これらも私たちが見極め、お客様の安心を担保しています。
それもまた80年以上の実績が、証明しています。

 

最後に

普段なかなか知る機会の少ない、角の品質の違いがお分かりいただけましたでしょうか。
実際に店頭でも「なんで同じ水牛なのに、値段が違うの?」なんてご質問も多くいただきます。
その際に鈴印では、以上のようにご説明させていただいております。

私たちが印章に関して最も大切にしていることの1つは、長年安心して使えることです。
長年安心して使えるから、逆に言えば印章の不具合などの不便をお掛けしないで済む、要するに気づかないことになります。
そんな当たり前にいつ押しても綺麗に捺印できることが、最善と考えます。

もちろんそこには手彫りという要素も関係してきますが、今回は素材のそれも角に焦点を絞ってご説明致しました。
一度作ると一生モノだからこそ、じっくりと慎重にご検討ください。

 

 

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