ご存知でした?お札にハンコが押してあることを

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みなさんが毎日手にする日本銀行券、いわゆるお札ですね。
最近は政府主導によるキャッシュレス推進で、以前と比べると使用頻度は多少減ってきているかもしれません。
とはいえ世界一安心な日本のお札ですから、まだまだこれからも残り続けるのでしょう。

さてさてそんなみなさんにとってもなくてはならない、また切っても切れないお札に、実はハンコが押してあることをご存知でしょうか?
しかも新しいお札も古いお札も全く同じ印が。
2014年2月18日に書いたブログですが、2019年11月8日にリライトしました。

お札に押してある印にはある願いが込められていた

表の「総裁之印」で、お札の流通を願う

私が小さい頃によく見ていたのは聖徳太子が描かれていたお札でした。
この右下には、きちんと印が押してあります。

ありますね。
彫刻文字は「総裁之印」
これは別名「流通印」と呼ばれ『日本銀行より発行したお札は全国隅々まで行き渡るように』との願いが込められているそうです。
紙幣はただの紙に金額を印刷したものにすぎません。
その正当性を証明するために日銀総裁が確認し、その価値を証明するという意味合いで総裁の印が捺印されています。
やはり肝心なところにはいつも印が登場します。

裏の「発券局長」で、お札の歯止めを願う

表面同様、裏面にも右下に印が押してありますね。

彫刻文字は「発券局長」
これは別名「歯止印」と呼ばれ『表面で願う流通を裏面で発券局長が歯止めをかけ、再び日本銀行に帰ってくるように』との願いが込められているそうです。
こちらもただの紙の正当性を証明するために日銀総裁が確認し、その価値を証明するという意味合いで捺印されているのは一緒です。

昔は手で押していたのかも

鈴印には古い紙幣がたくさん保管されています。
聞くところによりますと祖父がコレクターだったそうで、残っているんだそうです。

面白いのはお札の年代やデザインが変わっても、位置は違えど印影は変わる事なく使い続けられています。
だから今お使いのお札をご覧頂いても同じ判が押してありますし、モチロン古いお札も同じ。
で、色々見ていると衝撃的なのが、印影が滲んでいたり曲がっていたりしてるんです。

分かりますかね?
上左の「発券局長」は、やや右に傾いてるし、上右の「総裁之印」は右側に傾いて押してるのか、右側が太い。
下の「発券局長」は特に「発」が滲んでいます。

日本銀行券の印は、今の印章の書体のルーツ

日本銀行券に使われる印章の書体は全て「篆書(テンショ)」で、篆刻家「益田香遠(ますだこうえん)」さんが1888年(明治21年)による作品です。

比較すると鈴印で人気の上記の3書体を並べると、確かに篆書に近いのが分かると思います。
「総裁之印」との違いは、上下左右の空間です。上記見本は空間が少なく、総裁之印はたっぷりと取られていますが、それはトレンドによります。
そして篆書を元に全ての線を伸ばして枠や上下左右につけたのが印相体で、今一番人気にな書体でもあります。
だからこの篆書を正しく理解しないと、この応用でもある印相体を正しく描けないんですね。

最後に

お札の印。
案外見落としがちな箇所ですが、どの紙幣にもきちんと印が押してありました。
日本においては、大切な書面には必ず印章が押されてきました。
正しい物には正しい印がある。
もはや日本のアイデンティティであるそれが、お札を通してもよく分かりますね。

 

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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