鹿の角の印鑑

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唐突な質問ですが「鹿の角」って聞くと何を連想しますかね?

ワタクシなんかは以前はインディアンジュエリーとか大好きでしたので、最初に連想するのはモチロン



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アクセサリーですよね。

鹿革の紐を使って鹿の角のペンダントヘッドのネックレスなんてのも、持ってましたな〜。 



中にはその鹿の紐すら、鹿の脳みそを使ってなめす「脳鞣し」なんて製法も・・・ 


一頭の鹿も、肉を食べるだけじゃなくその他も部分も無駄にせず、その命と共に大切に身につけるって

それこそ動物への感謝だと思いますけどね。 





ま、今回は鹿の角のアクセサリーのお話ではなく

鈴印はハンコ店ですからね、ハンコの話。



実は以前からお問い合わせはお電話等では多く頂いておりました。 

「鹿の角を持ってるんですけど、それってハンコにしてもらえるんですか?」



ま、上記のようにアクセサリーとして所有していたことはありますので大体連想はできるんです。

尖ってる先端部分もしくは根元の部分を利用して、削ってハンコにできるんではないかって。



でもここだけの話、正直にお話してしまいますと実は・・・




彫った事なかったんです!




だからですね、お問い合わせ頂いてもご返答に困りまして・・・

実際に彫れるのか?

そして押せるのか?

そもそも彫れてもちゃんと捺印できるのか?


お代を頂く以上はどんな材料であれ、綺麗に捺印できなければいけないですからね!

ま、恥ずかしながら前例がなくてはお答えできませんでした。




それが今回このようなご依頼と共に材料をお持ち頂きました。

「材質は何か分からないのですが、こちらの材料を親の形見でもらって。
名字が違うので、今彫ってある面を削って彫り直して頂く事ってできるんですか?」 


そうしてお持ち頂いた実際の材料がこちら

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ま、見ればどう見ても鹿の角なんですが、確証を得ないとお預かりできませんからね。

念のためググってみますと、あったあった

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間違いない!


そしてもう1つ、最大の問題は彫れるのかどうか?


あのやっぱり我々の場合、どんな材料でもその彫ってある底の部分をちょっとだけ彫るのが一番素材を理解しやすいので

お客様のご了承を得まして彫ってみました。


するとですね、限りなく水牛に似てるんですね!


色々調べますと鹿の角も水牛の角なんかと同じく、皮膚が硬くなって盛り上がった組織。
つまりは人間の爪なんかと一緒。
だから彫った感触なんかも似てるんですね。


もうそれが分かれば問題ございません。


ただし材料をご覧頂ければ分かると思うんですが、通常のはんこの材料のように
同じ直径で円錐形をしている訳ではないので、一切彫刻機は使えません。

※彫刻機は印材として規格の物しか彫る事ができません。


そんな訳でここからがワタクシの腕の最大の見せ所!


せっかくですので、お客様のご了承を得て、その作業工程の一部を公開したいと思います。


まずはその既存の彫刻面をグライダーで削り落とし、とくさと呼ばれるサンドペーパーみたいな物で印面を平らにします。

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そしてこのままでは文字が書けませんからね、朱色の墨を塗ります

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それでここからが大変なんです。

※ハンコは真円に彫らなければいけません。

通常の材料は限りなく真円に近い材料に彫りますから、真円である事を条件に「字割り」といって文字を書くための下線を引くのですが、今回の材料はご覧頂くとお分かりになるかと思うんですが、若干歪みがあります。

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そのためその歪みを想定しながら線を引いていきます。

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ここまで仕上がれば、後は文字を書いて彫るだけなので、通常の手彫りと何ら変わらないのですが


ちなみにその外周の歪みはどうやって解消するかと言いますと・・・

歪んだ円の中の真円をイメージして外側を削ります。

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斜線部分を削るイメージですね。
 


そんなこんなでワタクシ的には前代未聞の事に挑戦してみた訳なんですが

実際捺印してみますと・・・


これがこれが綺麗に写るんですね!



なので今後改めて言い直します。


 
鹿の角は彫れます!



また今後、無理難題にもぜひぜひ挑戦して参りたいと思いますので

変わった材料をお持ちの方はぜひご一報下さいませ。




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