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意外と知らない実印・銀行印・認印の使い分け

  1. 印鑑の用途(実印など)
  2. 1207 view

みなさんがお使いになる印章(はんこ)は、大きく分けて3つあります。
3つって言われてすぐ思い浮かびますか?
正解は・・・「実印」「銀行印」「認印」の3種類。

ま、ここまではみなさんもご存知かと思います。
では、それぞれ一体どんな使い分けが必要なのか?ってなると、微妙になっちゃいませんか?
ただそれも仕方ないっちゃ、仕方ないんです。
というのは、それぞれの使い分けが明確に法律とかで規定されているワケじゃなくて、そうしておくと便利かつ安心ですよって使い分けだからなんです。
そのため今回は、それぞれの用途と使い分け、そして一般的な彫り方や大きさを合わせてご紹介したいと思います。
2013年4月16日のブログですが、大幅にリライトして2018年6月6日に再度公開しました。

 

実印とは、印鑑登録をした印

実印は役所に印鑑登録をした印章のことを言います。
よく大きめでフルネームだからとか、「実印として作った」からの理由で実印って思ってる方もいますが、正しくは役所に印鑑登録をしていないと実印にはなりません。
大きなお金のやり取りや責任が発生する時、印鑑証明書と共に「ここに書いてあることはすべて認めました」というあなたの意志を証明するために使います。

  • 自動車の売買や譲渡
  • 不動産の売買や賃貸借
  • 遺産相続
  • 遺言書
  • 公正証書の作成・金銭その他貸借証書・契約書
  • 会社設立
  • 保険金や補償金の受領
    など・・・

彫り方は防犯の意味や格調高い雰囲気も醸し出す意味でも、篆書体や印相体などのやや読みにくい文字で作られる方が多いです。
ちなみに彫り方は法律で定められていませんので、読みやすい文字でも問題ありません。
サイズは過去のブログにも書いていますが、大きめ。
語源は「実名の印」とも言われるため、フルネームで作られる方が多いです。

簡単に言うなら契約の際に「印鑑証明書を用意して、実印を押してください」って言われた時に押すのが実印ですね。
あまりみなさん大きな声では言いませんが、結局実印が必要な時って契約等で後々何らかのトラブルになった時に「言った。言わない。」にならないように「あなたここに実印押しましたよね?」って責任の所在をはっきりさせるために押すものなんです。
だから既製品だと上書きされちゃう恐れがあるから危険、なんて言われます。

実印は重要な契約に使うからこそフルネーム彫刻で相手からの信頼を高め、またご自身も押す際の覚悟を決める意味でも大きいサイズが昔から選ばれています。

 

銀行印とは、銀行に登録した印

銀行や信用金庫、そして郵便局などで口座を開設する際に必要になるのが銀行印です。
こちらも実印同様、銀行に登録してはじめて銀行印になります。
たまに「銀行印とか認印として使えるはんこが欲しい」なんて方もいらっしゃいますが、登録印の実印や銀行印と、登録しない認印は、個人情報保護の観点からも一緒にしない方が安全です。

最近は銀行印不要なんて銀行も出てきていますが、実は口座開設の際には必要だったり大きな額は動かせないなどの制限もあったりして、依然使用される場面も多く見られます。
つまりこちらも実印同様、「言った。言わない。」などの責任回避の意味合いが強くありますので、登録の際は既製品は避けた方がご自身のセキュリティーの意味でも安心です。

彫り方は防犯の意味や格調高い雰囲気も醸し出す意味でも、篆書体や印相体などのやや読みにくい文字で作られる方が多いです。
ちなみに彫り方は法律で定められていませんので、読みやすい文字でも問題ありません。
サイズは過去のブログにも書いていますが、三文判よりも大きめで、鈴印では男女問わずお名前が人気です。

繰り返しますが登録してあなたの意志を示す印ですから、慎重にお考えください。

 

認印とは、どこにも登録していない印

定義としては、上記の実印や銀行印など以外の印。言い換えると、どこにも登録していないはんこが認印になります。
用途は、その名の通り「見て確認して、認めましたよ」の印(しるし)。
登録するワケじゃないからなんでもいい。ただし、なんでもいいからこそ、その方の考え方が最も現れるとも言われます。
印を大切にしている方は印の影響力の高い、いわゆる社会的地位の高い方が多いです。
それは例え認印と言えども、意思表示の表れでもありますから、押す際は慎重にお考えください。

彫り方は相手に分かりやすいよう、分かりやすい書体が一般的ですが、例えば縦の篆書や鈴印オリジナルのSK印相体で格式や個性を表しても面白いかもしれません。
サイズは過去のブログにも書いていますが、三文判よりもやや大きめで、お苗字が人気です。

 

最後に

やはり理想的には3本をそれぞれに用途に応じて使い分けるのがベストです。
なぜなら使い分けることで、パスワード同様リスクの分散にもなるからです。
とは言えご予算的にまずは兼用をお考えであれば、登録印と認印の兼用だけは避けてください。
登録印はせっかく役所も銀行も公にしないようにしてくれているのに、ご自身であちこち押しちゃったら意味がなくなっちゃいますからね。

チームプレーでもはんこでも、同じようでいてそれぞれに役割が異なります。
適材適所に置くことでその能力を最大限に発揮できます。
ただし知っていないと役割すら分かりません。
私自身は、はんこって戦国自体の陣形をイメージしています。
実印である大将がしょっちゅう登場してたんじゃ、危なくてしょうがないですからね!

 

 

 
鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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