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個人向け印章の種類と使い分け

  1. 社長ブログ
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ハンコ(印章)には様々な種類があります。実印・銀行印・認印、他にも会社の印もあれば、ゴム印や消しゴムはんこなどとホント多種多様。
いずれにしましてもどんな形であれ、印章を押す目的は「この書類に書いてあることはすべて認めましたよ」とか「これは私が正しく発行した文書です」などと、押した人の意識を示す役割があります。
つまり「印章を押す」=「責任が発生する」ことになるんです。

それぞれの違いを正しく理解することで、いざという時に慌てなくて済みますし、また捺印という緊張感のあるシチュエーションでも堂々とした振る舞いができることで、あなたの価値を高めることにもなります。
多種多様な印章の種類の中で、今回は個人向けの印章に絞って、質疑応答の会話形式でご紹介します。

実印とは、役所に実印登録した印章のこと

実印ってなに?

お客様
そもそも実印ってなんなんでしょうか?

鈴木
一言で言うなら、実印とは「役所に登録したハンコのことです」

お客様
えっ?登録してないと実印じゃないんですか!?

鈴木
そうなんですよ。パッと見大きくてフルネーム彫ってあったりすると実印って思いがちなんですけど、実際には登録してあるかどうかで決まります。

お客様
なるほど〜

鈴木
だから「実印買ってきた」ってだけでは、まだ実印ではないですし、「実印ください」っていうのも正確には違います。

お客様
な、なんかめんどくさいですね、、、汗

鈴木
安心してください。店頭ではそんなこと言いませんから♡

実印の役割

お客様
実印の定義は分かりました。では実印ってなんのために押すんですか?

鈴木
「ここに書いてあることを全て認めました」という意思表示に押します。

お客様
でも押した印影だけでは、本当に本人の意思かどうかは分かりませんよね?

鈴木
そうなんです。だから役所に登録した印鑑証明を添付して、それと同じつまり、戸籍と同じ人が押しましたって意味になるんです。

お客様
印章がもし既製品だったら怖いですね?

鈴木
実印を押すことって日本では一番強い法的拘束力があるそうです。
なので簡単に押したり、気軽に人に預けたりしないで、ご自身でしっかり確認してから押す必要があるんですね。

実印が必要になるシチュエーション

お客様
実印ってこれまでもそんなに押した記憶がないんですけど、実際どんな時に押すんでしょうか?

鈴木
大切なことになりますので、一般的なシチュエーションを以下にまとめますね。

  • 自動車の売買や譲渡
  • 不動産の売買や賃貸借
  • 遺産相続
  • 遺言書
  • 公正証書の作成・金銭その他貸借証書・契約書
  • 会社設立
  • 保険金や補償金の受領
    など・・・
鈴木
他にも大きな金額や信用が動く時には相手の方から「実印をご用意ください」なんて言われます。
兎にも角にも実印を押す時って、その人の人生の大きな節目の時なのは間違いありませんから、慎重にご決断なさってください。

 

実印に関してさらに詳しくはこちらから

 

銀行印とは、銀行に届け出をしている印章のこと

銀行印ってなに?

お客様
では次に銀行印ですね。
銀行印ってなんですか?
読んで字の如くのような気もしますけど、、、

鈴木
読んで字の如くです♡
銀行預金や郵便貯金の口座を開設したり、お金の出し入れをする時には使います。

お客様
でも最近はキャッシュカードで出し入れしたり、そもそも銀行印がなくても口座が作れるところも増えてきていますよね?
今でも銀行印は必要なんですか?

鈴木
いい質問です♡
まずキャッシュカードでお金の出し入れをしようとする場合、限度額がありますよね?
だから例えば100万円を超えるような大金を引き出す場合は、銀行印が必要になります。

お客様
自分のお金を引き出すだけなのに面倒なんですよね。

鈴木
いや面倒は安心と引き換えなんです。
キャッシュカードでは本人じゃなくても引き出せちゃいますから。
暗証番号盗まれたり、家族が勝手になど考え出したらキリがない。
だから基本的には銀行に出向いて、本人確認をして、銀行印押して、間違いなく本人じゃないと引き出せないようになってるんですね。
使う頻度は低いかもしれませんけど、重要度は昔から変わらないんですね。

お客様
分かりました。
じゃあそもそも口座開設の時に銀行印が必要ないことに対しては何て言い返しますか?

鈴木
ご存知かと思いますが、印鑑を必要としない新しい形態の銀行の場合、金融庁が税金の支払いとかを認めていないんです。
みなさん税金は必ず納めなければなりませんよね?
その時に使えないとなると、全てが完結しません。
他にも国税の還付だったり公務員の給与の受け取り、年金や雇用保険などの公的機関からの振込にも使えません。

ま、そもそも印章を投げるCMを見てから、ワタクシ一切関わらないようにしていますけど♡


お客様
、、、汗
銀行印が今でも必要なことがよく分かりました。

鈴木
分かっていただければいいんです♡

銀行印に関してさらに詳しくはこちらから

認印とは、どこにも登録をしていない印章のこと

認印ってなに?

お客様
個人印としてあと必要なのは認印くらいになりますか?
またズバリ教えてください!
認印って何でしょうか?

鈴木
認印は、全ての印章です。

お客様
は?

鈴木
言い換えますと、それが実印だろうが銀行印だろうが落款印であろうが、はたまた私が佐藤と使っていても、これが「私の認印」って言えば認印になります。
つまりルールはないってことです。

お客様
でも鈴木さんの認印欄に「佐藤」って押したら、押された方は困りますよね?

鈴木
困ろうが何だろうが、これが「私の認印です」で通ります。多分。
だって誰でも「佐藤」って読めるから違うって言われちゃうんですよね?
じゃあ誰も読めないような複雑な「佐藤」だったらダメって言いようがないですからね。

お客様
あーなんかよく分からなくなってきました、、、汗

鈴木
でしょ?
だからちゃんと、これが実印で、これが銀行印で、これが認印って、使い分ける必要があるんですよ。

お客様
なるほど!

鈴木
ちなみに一般的に認印とは、どこにも登録していない印と言われています。
ただ先ほども申し上げましたように、実印を押しちゃっても構いませんし、銀行印を押してもいいんです。
でもそうすると、せっかく役所も金融機関も大切な個人情報だからって本人以外には教えない仕組みになっているのに、自分で晒しちゃっているも同然になります。
だからご自身だけしか分からないように、しっかり区別しておく必要があるんですね。

お客様
ちなみに使い道はどんな感じになるんでしょうか?

鈴木
具体的には荷物が届いて「ここにサインか印鑑を」だったり、就職活動の際の履歴書だったり、仕事をしていれば誰が担当したか分かるようになどの、事務作業的な意思確認ですね。
逆に言えば「ここに実印を」とか「ここに銀行印を」って登録印と照合する以外に押すのが認印になります。

お客様
登録印と照合するわけじゃないからなんでもいいように聞こえますけど?

鈴木
印章の役割は全て「自分の意思を表す」要するに「ここに書いてあることは全て認めましたよ」って意思表示です。
もしそれが気がつかずに重要書類だったりしたら、場合によっては押すことで実印を同じ効力が発生することもありますから、私自身は全ての捺印は同列と考えています。
そのために既製印は一切使っていません。
売ってて言うのもなんですけど、押した先にどう利用されるか分からないのが捺印ですから、既製品は怖いです。

認印に関してさらに詳しくはこちらから

最後に

お客様
個人印に関して詳しくありがとうございました。
補足することなどはありますか?

鈴木
長く印章に携わってきて一番感じるのが、なんのためにハンコを押すのか分からずに、言われるがままに押している人が増えてきている点ですね。
ハンコを押すことって、自分の意思を担保として相手に預ける行為です。
つまり「ここに書いてあることは全て認めました」の印。

お客様
そうか、確かに。

鈴木
契約は私たちハンコを押す側に決定権があるんです。
決めるも断るもこちらの捺印次第。
だから私は印章って武器だと思っています。
何百万も何千万もする取引を、進めるも止めるも印章ですから。

お客様
強いですね。

鈴木
言われるがままに押すだけですとただの面倒な作業になりがちですけど、「ここに捺印を」って言われた時に相手は固唾を吞んで待っていると思えば、主導権を握っている感をダイレクトに感じられるのではないでしょうか?

それに詐欺も捺印を利用した手口は今でも多いです。
ですから自分を守る意味でも役割をしっかり区別して、押す際は慎重に。
そして迷った時は押さない。
迷った際は相手に流されず、ご家族に相談を。
それだけでほとんどの捺印の被害から免れることもできますからね。


お客様
最後に一言。

鈴木
印章は大きな決断の時に必要になるものです。
数は少ないかもしれないですけど、重要度は人生の中でも最高峰。
だからこそ冒頭でも述べました通り、知っているだけでその時に余裕を持った振る舞いができ、あなたの価値も高まりますので、ぜひしっかりと理解した上で臨んでください。

 

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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