鈴印といえば手作りのイメージがあるかもしれませんけど、一部では機械も多用しています。
ここ最近で最も稼働しているのはレーザー加工機。
鈴印のノベルティなどでもご紹介したアクリルや、捺印マットや朱肉の名入れ、また桐箱の「令和」の彫刻などもこれがあってこそ。
手にした最初は機械だから常に一定の水準を保つんだろう?と勝手に思っていました。
ところがこれがまさに職人の勘の如く、諸条件によって調整が必要だったりもします。
変化の要因は様々
レーザーって温度の影響も受けます。
冬には完璧だと思っていた設定が、夏になると違ってきます。
他にもススが出ますから、そのたまり具合によっても。はたまたレンズの汚れなどでもこれまた変わってきたりもします。
だから非常にこまめな掃除が必要。
次に彫る素材によっても当然異なります。
木に彫る場合、革に彫る場合、アクリルに彫る場合、当然全く違いますし、もし間違えたら彫刻でなく穴が空きます、、、汗
そのために素材を見極める感性が必要になります。
仮に文字を彫る場合は、印刷と違ってフォントの線の太さなどでも対応できる場合とできない場合が出てきます。
細すぎて彫れないとか、細すぎて線がなくなるとかですね。
そのためにフォントを変えたり加工したりと、ご要望に応じて対応する必要があります。
つまり日々その状態を見極めながら、それはまさに噂で聞く湿度で水分量を変える麺職人のように、諸条件を感じつ必要があります。
逆に言うなれば機械の出力は変わらないんですよ。
だけどそれにまつわる環境によって、最適な数値を導き出す必要があるんですね。
だから楽しかったりもします。
最後に
レーザーを導入した当時、その道のスペシャリストの方の言葉に失礼な言い方をしたことがありました。
スペシャリスト「私ぐらいの技術があればなんでもできますけど、最初はなかなか難しいと思いますよ」
私「機械に技術が必要なんですか?」
スペシャリスト「もちろんですよ」
私「だってデザインと出力さえ決まれば、あとは機械が勝手に作ってくれますよね?どこに技術の入る余地があります?」
スペシャリスト「その出力って常に一定だと思ってますか?生き物のように毎回違うんですよ。だからその数値を見極める技術が必要になります」
痛感しています、、、涙
私たちは商品に関して、一定の厳しい水準を設けています。
それ以下では当然お納めできませんから。
そんな一旦を、レーザーという機械に対しても守っています。
ここを重視しなければ簡単に低コストで作ることもできてしまうんですが、それで困るのはお使いになるお客様ですからね。
「印を通してお客様の価値を高めたい」私たちとして、絶対に譲ってはいけない大切なポイントだと考えています。