会社の印、いわゆる法人印には、鞘(さや)と呼ばれるキャップがついていますが、これでお困りの方が多いようです。
原因は大きく2つに分けられるようです。
- 割れてしまった
- 鞘だけ紛失してしまった
そのため以前から、多くのお問い合わせをいただいておりました。
「キャップだけの販売ってされてるんですか?」
残念ながらこれまで、キャップ単体の販売はしておりませんでした。
理由としまして、印章の素材は天然材が多いため同じ18㎜でも多少の誤差が発生します。そして鞘は、それぞれの印材の直径に合わせて作られるため1個1個サイズの微妙に違っちゃって合わないんですね。
ですけど、この度それを解消する商品が発売され増田ので、割れてしまう理由と合わせましてご紹介したいと思います。
2018年2月20日に公開したブログですが、2020年3月15日にリライトしました。
Contents
鞘(キャップ)が割れてしまう原因
鞘は印章のキャップとして大切な印面を保護してくれますから、万が一落とした場合でも大切な印面を保護してくれます。
そのため捺印頻度の高い、つまり落下等の可能性の高い法人印に選ばれています。
ところが逆に、この鞘自体が抜けなくなる恐れと、それに伴う破損の可能性も含んでいます。
丸くくり抜いた形状ですから、淵の部分が薄く、そこが温度や湿度の影響を受けやすいんです。
要するに熱によって膨張収縮し、乾燥によってひび割れちゃったりする場合もあります。
ただし放っておいて自然に割れちゃう場合は稀で、ほとんどのケースはコレ。
抜けないのを無理やり引き抜こうとして必要以上に部分的に圧がかかり、また素材の朱肉や乾燥による経年劣化も伴って割れちゃうんですね。
だから極力ご自身ではなく、ご購入されたお店もしくは鈴印のような専門店にお持ちいただいた方が安心。
でも「今から押すんだけど」って緊急事態の時の対処法は、過去にブログに書いておりますので、参考に。
とは言え、決して無理には扱わないでください。
会社の印鑑のキャップ(さや)だけも販売してます
スマートキャップ/柘植
どこでも売ってそうで、なかなか売っていない鞘だけ。
なぜかと言うと、印章に使われる素材って天然材が多いです。
そのため若干の個体差、要するに印面部分の直径が微妙に違うんです。
会社印に一般的な18㎜の材料も、18.18㎜だったり、17.98㎜だったり様々。
規格としては他にも15㎜・16.5㎜・19.5㎜・21㎜などがありますが、精度のあまり良くない印材の場合、販売の段階でこの数値が全く会っていないもの、具体的には17㎜や16㎜なども流通しているようです。
そして鞘は全てその印章本体のサイズに合わせて作っているため、他の印章にはきつすぎたり緩すぎたりで合わないんです。
以上の複雑な理由から、鞘のみの販売はこれまで対応していませんでした。
しかしこの度みなさまからのお声を頂戴し調べたら、お悩みを解消した商品を見つけました!
それが今回のスマートキャップ。
ぱっと見普通の鞘ですよ。
ところがコレを一度ひっくり返してみますと・・・
内側に敷き詰められた金属がバネの役割をしていて、見事に印材の誤差を解消しています。
ちなみに店頭にある印章に片っ端から20個ほど合わせてみましたけど、どれにも見事に適合。
コレはすごい!
※適合サイズの詳細は以下に記します。
金属じゃ印章自体を痛めないのか?
そんな心配もご無用。
金属の先端部分は切り込みに上手く収まっているし、金属部分も点で当たるようにカーブしているため、出し入れの際にも傷がつかないようになっています。
コレは本当よくできていますね。
万が一鞘の破損で気になっている方には、ぜひぜひオススメいたします。
プロテクトキャップ/黒水牛
黒水牛用のキャップ、こちらの名称はプロテクトキャップになりますが、同じく鞘のみの販売もしています。
柘植のスマートキャップとは形状が若干異なります。
なぜなら水牛は、柘植と比べて密度が非常に高く、そのため抜けなくなる原因は密着です。
要するに真空状態になって抜けなくなっちゃう場合がほとんどのため、構造を変えて対応しています。
淵の部分に見える多少ギザギザした部分がちょっとだけ内側出っ張り、下に回転する筒を挟み込んでいます。
多少遊びのある回転する筒を内包することによって、その中に空気の抜け道を作り、密着を防ぎます。
言葉にすると分かりにくいですけど、内側に指を入れて抑えるとクルクル回るのが分かります。
この形で水牛のトラブルを見事に解消しています。
対応サイズと注意点
ここからが追記した理由になりますが、これまでサイズに関してのお問い合わせを多数いただいてましたので、一度まとめておきたいと思います。
対応可能サイズは0.3㎜程度
当然ですが、小さいとと入らず、大きいと緩くなります。
そのためこれまでの実績から、誤差0.3㎜であれば対応可能であることが分かっています。
念のため、鞘のサイズごとに、対応可能印材のサイズを記します。
15㎜:14.7〜15.3㎜
16.5㎜:16.2㎜〜16.8㎜
18㎜:17.7㎜〜18.3㎜
上記を超える場合は、入らないもしくは緩い状態になってしまいますこと、あらかじめご了承ください。
計測はできる限り正確にお願いいたします
なんとなく測った概算の場合、思うようにフィットしない例も発生していますので、できる限り正確にお願いいたします。
1.理想は電子ノギスでの正確な計測になります。ない場合はそれに準ずる程度の、できる限り正確な計測をお願いいたします。
2.計測は印影でななく、印材を計測してください。印影(捺したもの)は、製作工程によって印材より小さい場合が多々ございます。
印章は非常に小さい商品になりますので、ここの数値が違ってしまうと、入らなかったり緩かったりの可能性がございます。
ご面倒かとは思いますが、例えば定規なのどで計測される場合は、上記の数字の範囲内に収まっているかを慎重にご確認ください。
上記サイズに収まっていない場合の対処法
具体的には以下のサイズの対処法を一覧にしました
14.6㎜以下→15㎜をご使用ください
15.4〜16.1㎜→16.5㎜をご使用ください
16.9㎜〜17.6㎜→18㎜をご使用ください
18.4㎜以上→対応不可
つまり対象範囲よりも、大きいサイズをお選びください。
ただし購入された時のような「スポッ!」とは動作せず、多少落ちるような感じになってしまうことは、あらかじめご了承ください。
18.4㎜以上の場合、対応サイズはございません。
最後に
これまではお持ちの印章に合わせて削るため一旦全部お預かりしてから調整してお渡ししていましたが、これからは鞘のみお渡し可能です。
【柘植】
プロテクトキャップ/柘植(税別)1,800円
【黒水牛】
プロテクトキャップ/黒水牛(税別)2,300円
牛角と象牙に関して
【牛角】
牛角の鞘だけの販売も可能ですが、天然材のため色合いが1つ1つ違います。
そのためほぼ確実に、印材と色が異なります。
以上ご了承いただけました場合、以下をコピペの上、お問い合わせフォームまでご連絡ください。
プロテクトキャップ/牛角希望
印材の直径:〇〇㎜
プロテクトキャップ/牛角(税別)6,000円
在庫状況と納期を追ってご連絡させていただきます。
【象牙】
残念ながら象牙に関しては、プロテクトキャップのような鞘だけの販売はございません。
そのため印材に合わせて、鞘を1つ1つ削って作るしか方法がないため、一度材料をお送りください。
尚、お預かりした際、もしくは郵送の際などに傷や破損のリスクもございますが、当店ではそれらの責任は一切負えない旨、あらかじめご了承ください。
鞘製/象牙(税別)30,000〜円
※象牙のランクによって価格が異なります。
郵送先:〒321-0964 栃木県宇都宮市駅前通り2-1-3 株式会社鈴印 宛
コメント