今から約5ヶ月ほど前。こんなブログを書いていました。
詳しくは読んでいただくとして、要するに縦長の袖看板はいらないんじゃないか?と思ったワケですよ。
そもそも社名が旧社名のままだし。
サインの目的ってアピールや目印としての、つまりは広告ですよね?
以前はそれで良かったのかもしれませんけど、今の時代必要なのだろうか?と仮定してみました。
もちろん業種によっては必要ですけど、鈴印の場合「今はんこ必要なんだけど、どっかにないかな?あった!」ってサインを見てもならないワケですよ。
実際のお客様はネットで検索されてご来店される方が非常に多いですし、三文判のタワーがあればはんこ屋さんだって分かりますからね。
つまり鈴印の場合は、ド派手な看板で目立たせるよりも、それこそひっそりと佇むイメージの方が合っているんじゃないかと、思ったんです。
とはいえ、ただの思いつきだけではそこまで思い切れません。
例えばデザインを変える選択肢だってあったワケなんですけど、なくすと決めました。
なのでそんな理由をちょいと。
袖看板を外すと決めた決定的な理由
設置したのは今から約7〜8年前で、親父主導でした。
その前のサインが白基調で雨染みが目立ち、綺麗じゃなかったんですね。
その反省もあって、当時の鈴木印舗のブランドカラーでもあったネイビーでデザインしていただきました。
ちなみに関係者は、親父・サイン業者を紹介してもらった親父の友人・デザイナーさん・サイン業者の4者。
設置した当時は決して評判は悪くなかったんですよ。むしろ良かった。
設計の段階でのデザイナーさんとの打ち合わせはとても楽しかったですし、ワクワクする体験でした。
この辺りじゃネイビーのサインってなかったし、夜は白文字が浮かび上がってカッコよかったんです。
また車で南の方から向かうと非常に目立つ位置だったんで、設置当時は各方面からお褒めの言葉をいただいてたんです。
ところが、1つだけ小さな問題がありました。
今じゃあまり分かりませんが、盤面がたわんでたんですね。
もちろんそれにも理由があって、その前から付いていたステンレスの外枠は高価だからそのまま残した方が良いと、仲介していただいた親父の友人からのご提案で残すことになった。
ところがいざ設置してみると、そのステンレスの枠自体が歪んでいてたわんじゃうんですね。
親父はそれはまるでスティーブジョブズのように、細部まで徹底的にこだわる人でした。
だからそのたわみが許せない。
「なんで歪んでんだ。枠のせい?俺は枠残して欲しいなんて言ってないぞ!」
まあよくある話かと思います。
色々な人間が介在しちゃって、責任の所在が不明確になっちゃう。
で、その時の業者さんの対応がこれまた雑だったんです。
たわんでる部分をビス留めしただけ。
だから大きいたわみが小さいたわみになっただけ。
「直ってないじゃないか!ちゃんとまっすぐにしてくれ!」
で、結局そのまま音沙汰がなくなってしまいました。
そしてそのまま親父はいなくなり、数ヶ月経ったある日、そのサイン業者さんから連絡が。
「あの、お支払いがまだなんで困ってるんですけど」
まあ双方にそれぞれに言い分があり、どちらも正しい。
だけど業者さんもそれ以上はどうにもできないし、結果こちら側が泣くしかなかったんですよね。
まあ色々な事情が絡んでいて、一方的に誰が悪いとは言えない事例ですね。
だって誰にも悪気はなかったんだから。
でも思いましたよ、その業者さんに対しては「プロじゃないな」って。
起こりうる現象を予測してアドバイスをするのがプロの仕事ですからね。
それ以来私はこの看板を「呪いのサイン♡」と呼んでおりまして、いつか絶対処分しようと心に決意したんですね♡
アレがあるから売り上げ悪いんだ♡
最後に
まあでも今となっては非常に貴重な経験でした。
だって社長になって間も無く、先代から引き継いだ負の遺産。
その処理に悩みまくるワケですよ。それこそあちらを立てればこちらが立たず・・・の世界ですから。
それまではこういったややこしい決断は全て親父に委ねてました。
だけど「親父がやってたことだから知らね〜」ってもう言えない立場。
だから私の社長としての最初の決断は、このサインの支払いでした。
グッと色々飲み込んで下した決断。
得たものは大きかったですよ。
だってお客さんがどういう対応をされるとどう思うか?が身を持って体験できましたから。
そしてそうならないために自分ならどうするか?
今この視点がどれほど役に立ってるか分かりませんからね。
おかげさまで成長させていただきました。
とまあ、たかがサイン1つですけど、様々な物語が潜んでたりするんですよね。
そしてもうすぐ、その呪いのサインも綺麗さっぱり無くなります♡
断捨離、断捨離!
あーせいせいする♡
全然成長してないじゃないか♡