ハンコの彫り直しは首をはねるのと同じだから縁起が悪い?

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彫り直しに関しては必ずと言っていいほど質問されるのがこんな疑問。
「ハンコの彫り直しって縁起が悪いんですか?」

まずご存知ない方のために補足しますと、実印などは彫刻面だけを削って、新たに彫り直すことができます。
それに対して「首をはねるのと同じだから縁起が悪いからやらない方がいいって聞いたんですけど、本当なんですか?」
今でも多いご質問なので、2017年2月24日に書いたブログですが大幅リライトして2018年6月13日に鈴印としての見解を述べたいと思います。

 

ハンコの彫り直しは首をはねるのと同じだから縁起が悪い?

まず前提としてこのご質問、私もこの業に携わって20年近くになりますが、これまで諸先輩方から聞いたことはありません。
ちなみに初めて聞いたのは鈴印の店頭で。結構驚いたものでしたよ。なんで?って。
親父などは「そんなことはないからご安心してください。むしろご先祖様の使っていた印を継承されるなんて素晴らしいことじゃないですか」
などと申しておりました。

そして一応私自身その話の根拠を想定してみました。
「はんこは分身だから、その印面を落とすことは首をはねる?」なのかな?

ちなみにブログにも書きましたが、彫り直しの場合は切落とすのではなく削りますし、印面は下側だから首じゃなくて足?


なんか新規で作り直しを促進するために無理やり辻褄合わせた感じ?正直そんな印象なんです。

なので先に結論を言ってしまうと、ハンコの彫り直しと縁起は関係ありません。

 

ハンコの彫り直しは首をはねるとか言われ出した時期は約40年前

じゃあそもそもなぜ、そんな話が出たのか?
これは歴史文献を調べたワケじゃなく、あくまで鈴印の歴史の中での実際にあったお話ですが。

鈴印は今から80年ほど前に創業しています。
当時から鈴印では、普通に彫り直しって対応していたらしいです。
そして「ハンコの彫り直しは首をはねる」なんてまことしやかに囁かれ出したのは約40年前。
親に聞くとその頃を境に、お客様から聞かれる機会が急に増えたんだそうです。
それを最初に聞いた時は祖父も父も「は?」って感じだったらしいですよ。
40年もこの仕事やってるのに、初めて聞いたって。

で、実際その頃ってハンコの霊感商法みたいのが流行ってたんだそうです。
そして以下のように言われ出したとか。

  • ハンコの文字はお札に押してあるような篆書体は、四方が空いてて縁起が悪いから、枠に線のついた印相体が良い
  • ハンコ本体の上下の印は身を削るのと同じで良くないから、削れてない材料が良い
  • 60ミリ丈は数字が悪いから、55ミリ丈が良い

そんな話の延長に、首をはねる説があったようです。

 

じゃあ実際にどうか?って言いますと

ハンコの文字はお札に押してあるような篆書体は四方が空いてて縁起が悪いから枠に線のついた印相体が良い

現在もお札には篆書体が使われていますし、新たに彫り直すことで新規のご注文の喚起。

 

ハンコ本体の上下の印は身を削るのと同じで良くないから、削れてない材料が良い

それ以前は削れてたり、金丹や銀丹という金属が埋められているのが主流だったため、新規のご注文の喚起。

 

60ミリ丈は数字が悪いから、55ミリ丈が良い

規格は60ミリですが、一度彫って削ると約2〜4ミリくらい短くなるので、失敗した材料や端材を使える。

 

ハンコの彫り直しは縁起が悪い

新規のご注文の喚起。

とまあそんな感じで、私が聞く限りでは「怪しいね〜」の世界でした。

 

鈴印では根拠を元にお答えしています

実際に店頭でご相談いただいた際は、上記を元に更に根拠を示してお伝えしています。

ハンコの文字はお札に押してあるような篆書体は四方が空いてて縁起が悪いから枠に線のついた印相体が良い?

そんなことないですよ。お好みがあればその書体で彫りますし、もしお任せいただけるのであれば、お客様のお名前に合わせて、一番バランスの良い書体をご提案します。

 

ハンコ本体の上下の印は身を削るのと同じで良くないから、削れてない材料が良い?

どちらでも良いと思います。慎重に押すために印がないのが主流ですが、分かりにくい場合は印を入れることもオススメしています。最近では誕生石なんかも選べますしね。

 

60ミリ丈は数字が悪いから、55ミリ丈が良い?

55ミリでも対応可能ですが、鈴印の場合は新規の材料しか使いませんから短く削ります。ちなみにハンコの長さの規格が60ミリなので、ケースも60ミリです。だから5ミリ短いだけでもケースの中でハンコが動きます。5ミリ削っても彫れますがその分余計な費用が掛かりますし、そのままの方がハンコを痛めませんよ。ちなみにちょどよいサイズのケースも別製となります。

 

ハンコの彫り直しは縁起が悪い?

ご先祖様が使っていた印章なら、また良い素材なら形見として使うべきです。ただしお持ちの印章が彫り直しに耐えられなそうな時は破損の恐れもあり、お断りさせていただく場合もあります。

 

最後に

本当昔からこういったご質問は多いですね。
不安になってご相談に来られる方には、以上のような感じでご説明させていただいてます。
やっぱ煽り系はどうかと思うんですよね。
だって人の不安煽る人で、信頼できる人っていませんからね。

私は基本的に、お客様に話す以上は必ず根拠が必要だと考えます。
そして私自身縁起が良いか悪いかの根拠を示せませんし、また根拠を示す職業ではないと考えています。
また、これだけははっきりと断言できます。
もしハンコで縁起が良くなるのであれば、自分たちで最高に縁起の良いハンコを彫って、今頃悠々自適な暮らしをしているコトでしょう!

私たちがこの道で長く仕事をしているメリットは、その分多くの情報を得て継承していることだと思います。
なので今回の情報で、少しでも不安が解消されましたら幸いです。
またもし不安に思われたら、信頼できる専門店にぜひご相談ください。

知らない他人の怪しい噂より、ご先祖様が長く使われてきた想いを大切にしてください。

 

 

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