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日本の契約はなぜ印鑑が必要なの?サインじゃダメなの?

昔からずっと言われています。
日本だけがなんで契約にハンコが必要なの?面倒臭いよ。
外国はサインでしょ?だから日本もサインでいいじゃん?

本日はそんな、多くのみなさんが疑問に思っているテーマについて書いてみます。

印鑑契約とサイン契約の根本的な違い

まず、契約に印鑑が必要な日本と、サインで済んでいる欧米とでは、契約に際して根本的な違いがあることはご存知でしょうか?
そもそも契約が成立するためには、公証する第三者が必要です。
これはどちらかが不利になった時に「聞いてない。言ってない。」を防ぐためですね。

その第三者が、日本は印鑑証明書を発行する役所なのに対して、サイン契約の欧米は公証人。

ですから欧米では、膨大な数の公証人が全ての契約に同席し、サインをして公証します。
現在日本における公証人の数は約500人とも言われていますが、一日に一体何件の契約が交わされているのでしょう?
つまり現状で日本がサイン契約に置き換えるには圧倒的に公証人の数が足りないですし、無理やり置き換えてしまったら遅延は火を見るよりも明らかです。

またサインの文字も欧米が筆記体なのに対し、日本は複雑な漢字です。
ちなみに欧米ではいつでも全く同じサインが書けるように小さい頃から練習をするそうですが、果たして日本は?
思い出してみてください。
朝起きた時と昼間、そして飲んでいる時、全く同じサインが書けますか?
サインを書くの苦手じゃないですか?
私はクレジットカード決済のサインですら、面倒だし毎回異なってしまいます。

生体認証じゃダメなの?

またこんな意見もあります。
指紋認証や静脈認証そして虹彩認証などの生体認証は?

最近は怖いニュースが流れています。それはSNSにピースサインを乗せると指紋をコピーされてしまうと。
顔と名前が分かり、おまけに指紋まで取られてしまえば情報が丸裸も同然です。
デジタルは便利ですけど、一度データ化されてしまえば、あとは簡単にコピーされてしまう危険性もはらみます。

また、見方を変えると生体認証は、強者の論理にも思えます。
だって指紋が取れない人はどうするのか?
目が見えない人はどうするのか?

そう考えると日本が採用する印鑑登録制度は、万人に平等な契約といっても差し支えありません。
誰でも「ここに押してください」と意思を示すだけで契約が可能になるのですから。

印鑑契約のメリットは代理決済

また印鑑が担保になる日本の契約の最も優れている点は、代理決済を可能とするところです。
仮にサイン契約や生体認証契約にした場合、全てにおいて本人が出向く必要があります。
例えば、大きな企業のトップなどは時間が限られます。東京大阪を行き来するなんて当たり前だし、外国に行っている場合だって。
もちろん大きな契約はトップが関わるとしても、ちょっとした細かい契約までは不在で進めたいのが本音でしょう。
その点印鑑を使用する日本の契約は代わりの誰かが押せば成立するため、スムーズさを考えたら双方にメリットがありますし、その恩恵はもちろんそれぞれのご家庭だって同様に享受されます。
身近な例では、奥様が代理でご主人やお子様の口座のお金を動かしたりなどですね。

捺印は儀式

最後に日本の文化との相性です。
皆さんも契約書に捺印された経験があると思いますが、あのハンコを押す重みのある空気感は独特ではありませんか?
そうなんです。
捺印というある種の儀式を行うことによって、責任と自覚が発生するのです。
だからお金と責任の発生する契約にこそ、お互いに確認し合い、まさに心と信頼を交わす所作、つまり捺印が日本人気質にぴったりな文化なのではないでしょうか。

最後に

今回のテーマは私たちの職業の根幹です。
そのため色々入念に調べて参りました。
その結果一番目から鱗だったのは、日本の契約においての印鑑は、ご自身が頼み、作り、保管し、持参し、押すという面倒な手間ですが、その分皆さんの財産を守る何重もの強固なセキュリティとなっていることでした。

仮に印鑑を押す煩わしさをなくした場合、更に煩わしい自己責任が発生することになります。
パスワードもそうですが、面倒なほど安全なのが現状です。
その点、手作りは完全コピーができません。
つまり印鑑とは、 手作りによる強固なパスワードでもあり、またお互いの信頼を確認する日本独自の不思議な文化でした。

近年、日本の文化は世界から見直されています。
もしかすると印鑑も、日本人だからこそ成し得た、世界に誇る日本の文化なのかもしれません。

捺印

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