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捨印が怖いのではなく、本当に怖いのは・・・

以前捨印について書いたブログが、鈴印ブログの中でももっとも読まれています。
改めて読み直すと、それほど突っ込んだ内容にはなっていませんが、ざっくりと捨印ってこんな感じってのは伝わるかと思います。
そして本日は改めて捨印。様々な場面で登場する捨印。言われるがままに何となく押している捨印。
ちゃんとその意味を理解して捺印していますか?
知らないで押しちゃっていると、もしかすると大変なコトになっちゃうかも?

2016年12月15日に書いたブログですが、本日2018年6月30日はその追記をリライトしてみたいと思います。

 

捨印とは訂正印です

そもそも捨印とは?

捨印

捨印とは、分かりやすく言うと訂正印です。

ちなみに訂正印とは、公文書の誤記を訂正するために押される印章、もしくはその押された印影です。
そして訂正印と捨印の違いはこう。訂正印は自分で押して訂正するのに対して、捨印は「自分に確認をしなくても内容に追加や訂正しても良い」との意思表示で押す印になります。
そして、こんな感じで使われます。

捨印

自分の登録印と同じ印(捨印)が欄外にあり、捨印の下に「三文字削除及び七文字追加」等と書くだけで、それは正式な訂正と認められるのです。
つまり、契約者本人が自分の意思で訂正するのではなく、相手が自由に間違っている箇所を訂正できるのが捨印なのですね。
まあ極端に言えば契約者本人の確認を得ず訂正できるため、お互いの手間の省略という側面もあります。

 

捨印は怖いのか?

ここまで読んで勘のいい方はこう思うはずです。「それって危険じゃない?」
その感覚は正常です。
だって金額とか名前を勝手に変えられたら大変。
支払う金額も支払先も変えられちゃったら、契約書全てが相手の思うがままになってしまいます。
でもご安心ください。
もちろんそういったトラブルが起こらないよう、特に売買契約やローン契約などの高額取引の場合、捨印の効力が及ぶ権限が限られている場合が多いのです。
例えば日付・金額・名義などの契約書の中でも特に重要な内容に関しては、捨印では訂正できないようになっているのです。
詳細はこちら
なので重要事項の訂正は二重線を引き、上からご自身の登録印を改めて押さなければ認められません。
とは言え契約書は、乙が作るものです。どんな書類でも作り手に有利に作られている場合がほとんどです。
そりゃそうですよね?自分にとって不利になる契約書を作るはずがありませんから。
なので私は以下のように対応しています。
まず相手が信用できるかどうか微妙な時は、捨印を押さないで提出します。
ただですね、その場合「書類に不備があります」なんて戻ってきちゃうことも結構多いんですよ。
なのでその時は捨印を押した上で、自分の書いた本契約書のコピーを保管してから渡します。
それなら捨印で訂正された箇所が、後から追えますからね。

さて、捨印の意味とどう対処すればいいのかを、ざっくりご理解いただけましたでしょうか?
結局、捨印を押したことによって大きな被害を被る可能性は、絶対ではありませんが非常に低いことが理解できます。

 

本当に怖いのは捨印ではなく・・・

良かった、良かった、安心、と言いたい所ですが、実はもう1つ重大な落とし穴があります。
それは上記にも書いている以下の部分。
「重要事項の訂正は二重線を引いて登録印、つまりご自身の実印や銀行印を押して初めて訂正となる」
じゃあ仮にですよ、この実印や銀行印が既成品、つまり三文判だったら?

既成印

既製品は大量生産印です。つまりどこでも誰でも購入可能です。
私たち印鑑のプロも、そして多くの印鑑を見ている方も、既製品か別製で作ったかは一目で分かります。
そうなんです!

実は一番怖いのは捨印を押すことではなく、既製印を実印や銀行印の登録印にしていることなんです。

それでは捨印での軽微な訂正どころか、契約の根幹に関わる金額や名前を勝手に訂正してしまうことだって、それはまるでパスワードを乗っ取られたかのように自由自在にできてしまいます。
実際それを利用した詐欺も、昔はかなり横行していたと聞きます。

 

最後に

今回書いた話は、かなり極論に聞こえるかもしれません。
だってあまり聞かないですもんね。
でも聞こえてこない理由はたった1つ。こういった詐欺に遭われてしまった方は、人に話さないんです。
だって恥ずかしいですから。

だからあまり知ることはなく、対岸の火事のような気になってしまいがちです。
私たちは印章専門店ですから、良くも悪くも印にまつわる様々なお話を伺います。

そして多くのお客様と話すうちに興味深い傾向が分かってきました。
印章を大切にされる方には1つの共通項がありました。
それは・・・ハンコを押す怖さを知っている。

ある方はこんな風に話します。
「結局最後に自分を守ってくれるのは家族です。だから私も大切な家族を守るために実印を贈るんです。」

 

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