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仕上げはドキドキしながら磨き上げます

  1. 印鑑の物話
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どんなお仕事でもそうですが、一般のお客様が知らない舞台裏があります。
別に知らせたくないワケじゃないんだけど、自分じゃ当たり前すぎて気がつかない。
でもやはりお客様とのやりとりの中で発見するんですよね。
なので今日はそんな舞台裏のことを書いてみます。

仕上げはドキドキしながら磨き上げます

鈴印では実印の彫刻が完成して、お客様にお納めする前に磨きをかけます。
やっぱ手で彫っていきますからね、どうしても過程では多少の汚れも付着します。
手の汚れには気を使い、毎回手を洗ってから作業はしてるんですけど、完全には避けられない。
ワタクシ、ハンドクリームのような手がべたつくのが苦手なのも、この手に付いたモノが実印の材料に付着する感覚が嫌だからです。
でも避けられない。
気を遣ってるアピール♡

まあ実際はほとんど汚れが付着するコトなんてないんですけど、やっぱ最後はピッカピカに磨き上げてからお渡ししたいです。
とは言えですね、これが本当に神経をすり減らす作業。
だって回転してるバフに擦り付けるようにして磨きますから、ちょっと角度を間違えると弾き飛ばされ、一瞬にして破損してしまいます。
まあ具体的には枠が欠けて商品になりません。
仮にまた彫り直すって仮定した場合、材料はきっちり規格で6センチになってますし、ケースもその長さぴったりにできてますから、短くなったらケースの中でスカスカになってしまいます。
そもそも一度失敗した材料を彫り直してお納めするなんてできません。
つまりどれだけ丹精込めて彫っても、最後の磨き作業に失敗すると全て0になってしまいます。

これってすごく恐ろしいのが分かりますよね?
ちなみに過去に何回かやり直し経験有り・・・
その瞬間、頭がボーッとします。
現実を受け入れられない感ですね♡

次に現実が押し寄せてきます。
また1からやり直しか〜

失敗は数回でも、その記憶はずっと残ります。
だから毎回、一瞬よぎるんですよ、その記憶が。
その恐怖に押しつぶされないように、強い心で臨みます。
だから、すっごい集中しますよ!

そこまで緊張するなら磨かないって選択肢もあるんですけど、やっぱ最高に綺麗な状態でお渡ししたい。
だからやめるわけには参りません。

とまあ長々と書いたのは、決して恩を着せるためじゃございません!
ただの気持ちの押し売りです♡

今日はせっかくなんで動画で撮ってみました。
緊張感が伝わりましたら幸いです♡

 見てるだけで手に汗かく♡

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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